温度の急激な変化による血圧の急上昇や急下降、脈拍の変動などがからだに及ぼす悪影響。ことに外気温と室温が極端に異なる12月から1月の寒冷な季節では、入浴前後や入浴中あるいはトイレへの移動や使用中に心肺停止をきたす人の数が激増する。入浴による血圧の変動の場合では、入浴前の脱衣によって急な寒冷刺激を受けると、体表温度を下げさせまいと毛細血管が収縮して血圧は急激に上がる。また入浴直後も急に熱い湯に触れると交感神経が興奮して血圧は上昇するが、入浴中はからだが温まって血管は拡張し血圧は下がる。しかし、入浴後は体温を奪われまいと再び毛細血管が収縮して血圧が上昇する。急激な血圧上昇は、心筋梗塞(こうそく)および脳梗塞や脳出血など脳卒中を起こす原因となり、不整脈が出現したり失神に陥ることもある。また急激な血圧低下によって失神やめまいが起こり、浴槽で負傷したり、おぼれて死亡する危険性が増大する。とくに高齢者や、高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常症、動脈硬化症などの疾患をもつ人はヒートショックの影響を受けやすいといわれる。予防はなによりも温度差を少なくすることで、脱衣室やトイレなどでの暖房器具の使用やシャワーを使った浴槽への湯はりで浴室の温度を高めるなどのくふうをする。
[編集部]
(2013-2-5)
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