ビュルガー病(読み)ビュルガービョウ(その他表記)Buerger's disease

デジタル大辞泉 「ビュルガー病」の意味・読み・例文・類語

ビュルガー‐びょう〔‐ビヤウ〕【ビュルガー病】

バージャー病

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビュルガー病」の意味・わかりやすい解説

ビュルガー病
びゅるがーびょう
Buerger's disease

閉塞(へいそく)性血栓血管炎のことで、命名者の名を冠してビュルガー(バージャー)病とよぶ。通常、20~40歳代の男性に好発し、四肢の動静脈に慢性的に発現する血管全層炎による血栓性閉塞で、指趾(しし)のチアノーゼが強くなって壊死(えし)に陥り脱落することがあるところから、特発性脱疽(だっそ)ともよばれてきた。原因については細菌感染、アレルギー、血液成分の変化、自己免疫説などがあるが、真の原因はまだ不明で、厚生労働省の特定疾患(難病)に指定されている。

 症状としては、四肢の冷感、蒼白(そうはく)、チアノーゼにまず気づき、歩くと腓腹(ひふく)筋や足部に痛みを感じ、足を引きずるようになるが、立ち止まってしばらく休むと回復する。この現象を間欠性跛行(はこう)という。症状が悪化してくると安静時にも四肢が痛み、やがて指趾に難治性の潰瘍(かいよう)ができて脱疽がみられるようになる。この間の痛みは激しい。また、静脈の症状は軽く、手足の表在静脈に有痛性の血栓性静脈炎を併発することがある。なお、喫煙者に多くみられるのがビュルガー病の特徴で、反対飲酒を好む者には少ない。とくに喫煙によって症状の増悪をみるものが多く、禁煙を厳守することが生活指導上もっとも重要とされている。かつてはこうした点からたばこ原因説もあったが、病因であるとする根拠はない。

 診断は、四肢の皮膚温度の低下や動脈の拍動減弱あるいは欠如などのほか、動脈撮影によって確実に診断されるが、閉塞性動脈硬化症をはじめ、レイノー症候群、大動脈炎症候群、血栓症塞栓症、膠原(こうげん)病、糖尿病性壊疽、赤血球増加症などの血液疾患ヒ素や鉛などの中毒などと鑑別する必要がある。

 治療としては、初期の段階には血管拡張剤の内服や温泉療法などが試みられ、潰瘍治癒促進の目的で交感神経切断術がよく行われる。さらに進行した場合は、壊死部切除や四肢切断術の適応となる。

[竹内慶治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビュルガー病」の意味・わかりやすい解説

ビュルガー病
ビュルガーびょう

閉塞性血栓血管炎」のページをご覧ください。

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