ビュルガー(読み)びゅるがー(英語表記)Gottfried August Bürger

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビュルガー」の意味・わかりやすい解説

ビュルガー
びゅるがー
Gottfried August Bürger
(1747―1794)

ドイツの詩人。ハルツ地方にルター派牧師の子として生まれ、ハレ大学で神学を、ゲッティンゲン大学法学を修める。同大学の無給講師、下級官吏、レーオンハルト姉妹との不倫な重婚関係など物心両面にわたり不遇な生涯を送る。詩人としてはゲッティンゲン詩派同人として出発。ヘルダーのオシアン論に触れ、伝説、民謡などの大衆文学に開眼し、宗教詩を換骨奪胎するパロディーの手法で民間伝承の物語詩を底本にした譚詩(たんし)『レノーレ』(1774)を発表。近世バラード史上、最高傑作の一つと目される。ほかにラスペの英語本のドイツ語訳『ミュンヒハウゼン物語――ほら男爵の冒険』(1786)の作者としても名高い。

[新保弼彬]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビュルガー」の意味・わかりやすい解説

ビュルガー
Bürger, Gottfried August

[生]1747.12.31. モルマースウェンデ
[没]1794.6.8. ゲッティンゲン
ドイツの詩人。ゲッティンゲン大学で法律を学び,判事となったが,同地の「林苑同盟」 Hainbundの詩人たちと交友。結婚後妻の妹と恋に落ち,その苦悩を歌った詩は有名。 1784年母校の講師。情熱的な数々のバラードを残している。なかでも夢と現実の錯綜した『レノーレ』 Lenore (1774) は傑作。ほかに英文学翻訳などがある。シラー酷評 (91) により文学的生命を絶たれた。

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