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ピルトダウン事件 ぴるとだうんじけん Piltdown forgery

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知恵蔵2015の解説

ピルトダウン事件

ロンドン郊外のピルトダウン採石場で1908〜12年にかけて英国のアマチュア考古学者C.ドーソンが発見した化石人骨が、実は捏造であったという事件。疑問を呈した形態学者もあったが、学界の権威者がこぞって認めたために、その意見は無視された。54年になって、骨に含まれるフッ素の量を分析した結果、現生の骨であることがわかり、脳頭蓋はヒト、下顎骨はオランウータンであることが露見した。

(馬場悠男 国立科学博物館人類研究部長 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ピルトダウン事件
ぴるとだうんじけん
Piltdown hoax

贋作(がんさく)の化石人骨によって学界を中心に引き起こされた事件。1908~15年にイギリスの旧サセックス県ピルトダウンから、アマチュア考古学者の弁護士ドーソンとその協力者たちが奇妙な頭骨破片を発見した。それは大きな脳と類人猿的な下顎(かがく)骨をもつ化石人骨であったため、最古の人類という意味を込めてエオアントロプス・ドーソニEoanthropus dawsoniと命名された。人類学、地質学、先史学の諸権威が太鼓判を押し、またイギリス最古ということで、イギリスの学界や社会からは大いに支持されたが、疑問視する学者も多かった。やがて、その後明らかになった人類進化の道からこの標本は大きく外れていることが問題になり、1948年、大英博物館のオークリーがフッ素年代測定を行い、引き続きワイナーがさまざまな科学的検査を重ねた結果、化石現生人類と現生オランウータンの頭骨の組合せであることが判明した。この事件は科学史上まれにみる贋作事件であるが、皮肉なことに、これを論ずる論文が200編余りも出版されるという点で学界に対し刺激的であった。犯人もしくはこれを仕掛けた人としてドーソンや同時代の著名な学者、探偵作家までがそれに擬せられたが、最近になって同館の無給助手によることが明らかになり、事件はほぼ解決した。[香原志勢]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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