ピン

精選版 日本国語大辞典「ピン」の解説

ピン

〘名〙 (pin)
① 重ねた物をつき刺して両者を留めるための、先のとがった針。また、裁縫で用いる待ち針、虫ピン、画鋲の類。
※暑中休暇(1892)〈巖谷小波〉四「玉虫、蜂、蠅、〈略〉菓子折の蓋にピン(針)で止めて」
② 針で衣服などに留めつける装身具。ネクタイピン、ブローチなど。ピンどめ。
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉上「頸の括れるやうな前折の衿(カラア)に、針(ピン)は黄金の浪に旭と見せた紅玉(ルビー)を掴ませ」
③ かんざし。
※くれの廿八日(1898)〈内田魯庵〉五「女は夜会結に黄玉の華簪(ピン)を挿し」
④ 髪が乱れないようにおさえる小さい金具。ヘアピン。ピンどめ。
※青春(1905‐06)〈小栗風葉〉秋「油気の無い束髪の洋銀のピンがスルリと抜けて」
⑤ 機械部分を固定するために穴に差し通す細い棒。
※実業読本(1926)〈武藤山治〉三「時計のごとき精巧なる機械でも、ピン一つぬければすぐ止ってしまう」
⑥ チェーンを用いて距離を測定する時に、その両端の測点を表わすのに用いる長さ三〇センチメートルほどの鉄の串。測串。
⑦ ボウリングで、ころがしたボールを当てて倒す、徳利形をした白い標的。レーン(アレイ)の先端のピン‐デッキに正三角形に一〇本立てる。
⑧ ゴルフで、ホールに立てる標柱。
⑨ (belaying pin の略) 登山で、岩登りの際、ザイルをかけ確保するときに支持点とする岩の突起やハーケンなどのこと。

ピン

〘名〙 (pinta 点の意から)
① カルタ・賽(さい)の目などの一の数。
※浄瑠璃・甲賀三郎窟物語(1735)四「ぴんよどうよに現(うつつ)他愛も内証は」
② 第一番。また、最上のもの。
③ (奉公人、雇人が代金などの一割をかすめたことから) うわまえ。
※浄瑠璃・忠義墳盟約大石(1797)七「手代の役徳せめて是程の、びんは有うちかい」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉「ピン」の解説

ピン(ping)

packet Internet groper》インターネットやイントラネットなどのTCP/IPネットワークにおいて、コンピューターの接続状況を診断するコマンドピング

ピン(pin)

つき刺したりはさんだりして、物を留める道具。虫ピンネクタイピンヘアピン安全ピンなど。
部材を接合するために端にある穴に挿入する細い丸鋼。
ボウリングで、の形をした標的
ゴルフで、ホールにさす目印、または旗ざお。
登山で、ザイルを使って確保するときに支点とするハーケンなどのこと。

ピン

《〈ポルトガル〉pinta(点の意)から》
カルタやさいころの目の一の数。「ピンのぞろ目」
第一番。最上のもの。⇔キリ
一人であること。「ピン芸人」
《1割をかすめとる意から》うわまえ。→ピンはね
「手代の役徳、せめてこれ程の―は有りうちかい」〈浄・盟約大石〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ)「ピン」の解説

ピン
ぴん
pin

留め針のこと。事務用、洋裁用などに用いられている虫ピン、頭髪の形を整えるのに使用するヘアピン、そのほか機械部品として各種のピンがある。機械部品用のピンとしては次のようなものがある。(1)平行ピン 細長い1本の棒で、穴に差し込んで二つの部分を結合するのに用いられる。直径0.6ミリメートルから50ミリメートル程度のものまである。このピンは振動などで抜ける心配のないところに用いられる。(2)テーパーピン 50分の1のテーパー(傾斜)がついているピンで、穴に打ち込んで部品を留めるのに用いられる。大きさは大小各種ある。(3)継手ピン 二つの部分をつなぎ合わせるのに用いられる。二つの部分は、ピンを中心として回転できる。(4)割りピン 二つに割ることのできるようにしたピンで、抜け出るのを防ぐことができる。穴に差し込んでピンの先端を二つに開いておくと、ピンは振動などによって抜け出ることがない。

[中山秀太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「ピン」の解説

ピン
pin

機械部品の類に差込んで,複数の物体を止めたり,位置関係を定める場合 (ノックピンという) に用いるもので,そのに直角方向の力を受ける機械要素を総称していう。材料には炭素鋼,ステンレス鋼,黄銅 (割ピンのみ) が用いられる。次のようなものがある。 (1) 割ピン 細い棒を折り曲げた形をしており,穴に入れてから先端を開いて脱落を防ぐ。寸法精度を要しないところに用いる。 (2) テーパピン わずかに傾斜のある円柱状部品で,2物体の穴に軽くたたき込んで固定するのに使う。 (3) 先割りテーパピン 取付け後すりわり部を開いて脱落を防ぐ。 (4) 平行ピン 円柱状のピンで,ノックピンとして,あるいは2部品間の合せ面に入れて丸キーとして使用する。

ピン

旗竿」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版「ピン」の解説

ピン【pin】

機械用語。機械部品と機械部品との相対位置を確保するために,両部品を貫通する穴に通して両部品を固定する機械要素。円筒丸棒状の平行ピン,こう配のゆるやかな円錐状のテーパーピン,縦割りのをつけたみぞ付きピン,薄板を円筒状に巻いたスプリングピン,穴に通した後に抜け止めのために先を開く割りピンなど多くの種類がある。ピンの使用法は,ピンで止められた両機械部品が外力によってずれないように外力に耐える必要がある場合(図のテーパーピンの用法)と,機械を分解後,再組立てをするときに,両部品を完全にもとの相対位置に復帰させるために使用され,単に寸法精度だけを要求される場合とがある。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内のピンの言及

【針】より

…皮や布を糸(ひも)で縫い合わせて衣服などを作るための道具。また,物を留めるための留針(ピンpin)もいうが,ここではおもに縫針needleを中心に述べる。
[沿革]
 縫針は,旧石器時代後期には出現しており,洪積世最後のウルム氷期の寒冷な環境のもと,北部ユーラシア各地で狩猟生活を営んでいたホモ・サピエンスたちが,防寒具としての皮製の衣服を改良するなかでくふうされていったものと思われる。…

※「ピン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

緑酒

〘名〙 緑色の酒。よい酒。うまい酒の色としていう。※菅家文草(900頃)五・雨晴対月「緑酒猶催醒後盞、珠簾未レ下暁来鈎」※一高寮歌・嗚呼玉杯に花うけて(1902)〈矢野勘治〉「嗚呼玉杯に花うけて 緑酒...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android