改訂新版 世界大百科事典 「ファルコネ」の意味・わかりやすい解説
ファルコネ
Étienne Falconet
生没年:1716-91
フランスの彫刻家。パリに生まれ,ルモアーヌJean-Baptiste Lemoyneに学ぶ。セーブル製陶工場の彫刻主任としてみずから考案した原型による多くの作品を製作。後期バロック,ロココ,新古典主義の各様式を織り込んだ作品により,当時の芸術思潮の変遷を如実に示す。1754年アカデミー会員。ポンパドゥール夫人の庇護をうける。彫刻家P.ピュジェを尊敬し,G.ベルニーニの影響もうける。後年には,ディドロの紹介でロシアのペテルブルグに招かれ(1766-79年滞在),ピョートル大帝の騎馬像(ブロンズ)のようなモニュメンタルな作品も残す。ディドロとの間に往復書簡があり,大プリニウスの芸術論を翻訳,刊行している。
執筆者:木村 三郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報