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フェニキア語 フェニキアごPhoenician language

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フェニキア語
フェニキアご
Phoenician language

古代フェニキア人の言語。セム語族の北西群に属し,ヘブライ語モアブ語とともにカナーン語と呼ばれる。最古の碑文は前 13世紀。フェニキア自体では前1世紀にアラム語に取って代られたと推定されるが,北アフリカでは紀元後も話されていた。北アフリカ沿岸のカルタゴなどで用いられたフェニキア語は,ポエニ語とも呼ばれ,ベルベル語の影響がみられる。フェニキア文字による碑文のほかに,ヘブライ語,エジプト語の資料や,ギリシア・ラテン文学のなかにもフェニキア語の単語が多く現れ,その姿を知る資料となっている。

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百科事典マイペディアの解説

フェニキア語【フェニキアご】

カナン語群に属する北西セム語。古代パレスティナの海岸およびフェニキアの植民地カルタゴで用いられた。後者は特にポエニ語と呼ばれる。フェニキア語は前9世紀から前2世紀ころに用いられたが,北アフリカでは6世紀まで用いられたが現在は死語。
→関連項目フェニキア文字

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フェニキア語
ふぇにきあご

紀元前2000年紀の末葉からローマ時代に至るまで、レバント(南シリアからパレスチナに至る沿岸地帯)を本拠に、地中海世界で通商や植民で活躍したフェニキア人の言語。北西セム語に属するカナーン語の一派で、ヘブライ語ともっとも近い。現存するのは碑文資料だけで、最古のものは前1000年ごろ、最新のものは前1世紀に属する。文学作品はギリシア・ローマの著作家による言及があるけれども、すべて隠滅した。
 フェニキア人による北アフリカの植民都市カルタゴを中心に西方に広がったフェニキア語は、本土のそれと区別してポエニ語Punicとよばれる。カルタゴのほかに、シチリア島、サルデーニャ島、南フランス、スペイン、遠くはブリテン島から出土した、年代も前9世紀から紀元後の世紀に至る、数千の碑文資料が残存する。ほかに、ローマの喜劇作者プラウトゥスの作品中に、ラテン文字で綴(つづ)られ、ラテン語の翻訳がついたポエニ語の台詞(せりふ)がある。[松本克己]

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世界大百科事典内のフェニキア語の言及

【セム語族】より

…このほかモアブ語Moabite(死海東部のモアブの王メシャが前9世紀に建てた,300語あまりから成る戦勝記念碑の言語。ヘブライ語に非常に近い),地中海岸のフェニキア語Phoenician(前10~後2世紀),および最も多くの文書を有するヘブライ語もカナン語に属する。一方,アラム語は,前2千年紀にティグリス・ユーフラテス上流地方からしだいに南下し,前6~前1世紀にはペルシア帝国の公用語としてその広大な版図に足跡を印し,紀元後もユダヤ教徒,キリスト教徒,マンダ教徒らによって用いられ,現代でも二,三の小部落で話されている。…

※「フェニキア語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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