デジタル大辞泉
「フェニックス」の意味・読み・例文・類語
フェニックス(〈ラテン〉phoenix)
1 エジプト神話の霊鳥。アラビアの砂漠にすみ、500年に1回、みずから火中に入って焼かれ、その灰の中から若い姿で再生するといわれる。不死鳥。
2 ヤシ科ナツメヤシ属の植物の総称。カナリーヤシ・セネガルヤシなど。幹は直立し、頂に羽状の葉が集まってつく。葉の落ちた跡に波状紋や角状突起が残る。
3 (Phoenix)米国の火星探査機。2007年に打ち上げられ、2008年に火星の北極域に着陸成功。2001マーズオデッセイなどによる周回軌道からの探査で、極域の地表近くにほぼ間違いなく水(氷)が存在するとわかっていたが、これを地表において直接探査することに初めて成功。土壌サンプルを熱する実験で、わずかに氷が蒸発して水蒸気になったことが確認された。
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フェニックス
- 〘 名詞 〙
- ① ( [英語] phoenix ) エジプト神話にでてくる霊鳥。アラビアの砂漠に住み、五〇〇年あるいは六〇〇年ごとに焼け死ぬが、その灰の中から再び若い姿をして生きかえってくるという鳥。転じて、不滅の価値や精神をさす。不死鳥。
- [初出の実例]「かのフェニックスが火に焼かれても、再び若々しい存在に甦って」(出典:惜みなく愛は奪ふ(1917)〈有島武郎〉一一)
- ② ( [ラテン語] phoenix ) ヤシ科フェニックス属植物の総称。カナリーヤシ、ナツメヤシなど一四種ある。アジア・アフリカの熱帯・亜熱帯に広く分布する。幹には葉柄基が残り、葉は大形で羽状に全裂し、幹の先に集まってつく。
- [初出の実例]「フェニックスや蘇鉄は東京へ移出されて」(出典:流人島にて(1953)〈武田泰淳〉)
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フェニックス(ヤシ科)
ふぇにっくす
phoenix
date palm
[学] Phoenix
ヤシ科(APG分類:ヤシ科)ナツメヤシ亜科ナツメヤシ属の総称。属名は、ギリシア語であるphoenixに由来する。Phoenixは不死鳥、鳳凰(ほうおう)の意味もある。カナリア島、イラン、イラク、アラビア、インド、ヒマラヤ、ネパール、スリランカ、マダガスカル、台湾などに14種10変種以上が分布する。幹は単一のものあるいは株立ちのものなど各種あり、高低もさまざまである。幹には葉柄基と繊維網が長く固着し、徐々に脱落し、幹肌に波状の環紋または角(つの)状の突起が残る。葉は光沢のある緑色または半光沢の灰色、披針(ひしん)形で全裂する。小葉羽片は内向きのV字状で、本属とクジャクヤシ属だけにみられる特殊な羽状葉である。羽片は葉の基部近くでは鋭い刺(とげ)となる。葉柄は光沢または半光沢で、緑色または灰色。雌雄異株であるが、まれに同一花柄に雌雄両花がつくものがある。肉穂花序は毛がなく木質で、仏炎包は先がとがった杓子(しゃくし)状である。花柄は長く、両側に竜骨状のひだがある。花柄は主柄のところどころに数本ずつ横列状に集束し、小さく波打った直伸状の花軸を多数分枝する。雄花は、花弁は3枚で黄白色。雄しべは6本で、大部分が長大な葯(やく)からなり、花弁内に包まれた多肉性の環状膜の上縁に直立して着生する。花糸は短く、消失に等しい。雄花にはまた未発達の子房や不稔(ふねん)の雌しべがある。雌花は枝柄の先半部に房状につき、花弁3枚が球状に子房を包み、柱頭は頂部で舌状に3裂し、外方に反曲する。普通は6本の無葯の雄しべがある(サトウナツメヤシは3~4本)。果実は単一で光沢のある楕円(だえん)形、果面は黄、橙(だいだい)、朱、紫、黄色などを帯びる。種子は片側の腹部に、上下に全通した縦溝がある。胚(はい)は普通は溝の反対側中央にある。
外形がソテツに似ているが、ソテツは別科であるソテツ科Cycadaceaeの植物である。
よく知られるものに次の各種がある。なお、「サトウナツメヤシ」date sugar palm/P. sylvestris Roxb.および「ナツメヤシ」P. dactylifera L.は、それぞれの項参照。
カナリーヤシCanary date palm/P. canariensis Chabaud 本属中ではもっとも大形の種である。種名はカナリア島産の意味。幹は単一で直立し、高さ20メートル、径0.8~1メートル。幹肌に、大きい葉柄基部が長期間固着して徐々に脱落してできた、交錯した規則正しい波状紋が残る。葉は羽状葉で、150~200対の小葉からなり、長さ5~7メートル。約200が密生して葉冠をつくる。小葉は披針形で、光沢のある濃緑色。長さ45~55センチメートル、幅3~3.5センチメートルで、対生、互生、並列、やや上下に交錯するなどさまざまである。小葉柄は短く、小葉の末端は強い刺となる。仏炎包は長さ1~1.5メートルの花柄につき、革質、黄色で、長さ75センチメートル、幅11センチメートル。果実は濃黄色、楕円形で長さ1.8~2センチメートル、径1.2センチメートル。種子は茶褐色、楕円形で長さ1.7センチメートル。街路樹、庭園樹とするほか、ごく小形のものは室内で鉢植えにする。
ソテツジュロminor date palm/P. loureiroi Kunth(P. humilis Roxb. var. hanceana Becc.) 台湾原産。幹は単一で、高さ3メートル、径20~25センチメートルと小形である。幹肌には角状の突起が残る。小葉は硬直状披針形で、40~50対が葉軸に対し斜め上下に交錯して密生する。長さ30~45センチメートルで、葉柄下部の末端は鋭い刺となる。肉穂花序は小さく、黄白色。果実は紫黒色で長さ1.3センチメートル、径0.8センチメートル。庭園樹とし、栽培最低温度は零下2℃。
セネガルヤシSenegal date palm/P. reclinata Jacq. 種名は葉が下に曲がるという意味。アフリカ原産。幹は細長く、分げつして叢生(そうせい)する。高さ8~12メートル、径25~30センチメートルであるが、幹を単一にして育てるとより高くなる。葉柄基はとれやすく、幹肌の残痕(ざんこん)がココヤシのそれに似ている。羽状葉は光沢のある鮮緑色で、湾曲して下垂し、長さ5~6メートル。小葉は葉並びがよく、長さ30センチメートル。仏炎包は濃橙(のうとう)色で長さ70センチメートル。肉穂花序も濃橙色で長さ1メートル。果実は赤ないし赤褐色で楕円形、長さ1.3センチメートル、幅0.7センチメートル。庭園樹に好適で、栽培最低温度は2℃。
シンノウヤシpigmy date palm/P. roebelenii O'Brien インドシナ半島、ミャンマー、インド(アッサム)原産。幹は単一で、直立性または波立性である。高さ2~3メートル、径10~20センチメートル、幹肌は滑らかで、角状の突起様を呈する葉痕が規則正しく整列する。羽状葉は柔らかく、湾曲して下垂し、長さ1~2メートル。小葉羽片は40~50対あり、光沢のある緑色で長さ20~30センチメートル、幅1センチメートルと細長く、細片が湾曲した毛状にみえる。羽片の裏面の中央脈と両縁には白色の点繊(繊維質の白色斑点)がある。肉穂花序は淡黄緑色で長さ30センチメートル。花は黄白色で芳香があり、雄花は長さ6ミリメートル。果実は黒色、長楕円形で長さ1~1.3センチメートル、径5~6ミリメートル。種子は楕円形で長さ7ミリメートル。室内用としては、本属中ではもっとも広く用いられる種類である。
イワナツメヤシanderson date palm/P. rupicola Anders. 種名は岩石生の意味。ネパール、インド北部原産。幹は単一で直立し、高さ5~8メートル。幹肌に波状紋を呈する葉痕が浅く残る。交雑種が多く、大小多様であるが、気品のある樹形を示す。葉は長さ3メートル、湾曲して下垂し、姿態が優美である。葉並びもよく整い、小葉羽片は互生または対生し、柔らかく、長さ50センチメートル。葉柄は短い。肉穂花序は長さ30センチメートル。果実は黄色、楕円形で長さ1.5センチメートル、幅0.8センチメートル。栽培最低温度は零下2℃。
[佐竹利彦 2019年5月21日]
フェニックス(アメリカ合衆国)
ふぇにっくす
Phoenix
アメリカ合衆国、アリゾナ州南部の都市で、同州の州都。人口132万1045(2000)。大都市圏人口325万1876(2000)。乾燥地域を流れるソルト川の河谷に位置し、1911年に完成したルーズベルト・ダムからの灌漑(かんがい)用水によって、周辺は綿花、穀物、野菜、果物を産し、家畜も飼育される。また、第二次世界大戦後は電子関係を中心とする工業が発展し、データ処理、電子産業の重要な中心地でもある。そのほかにも航空機、金属加工、機械、食品、衣類などの工業が盛ん。第二次世界大戦中に三つの飛行場が建設され、それに伴い多数の軍人が駐留した。戦後、退役した軍人が同市にとどまり、その多量の労働力を求めて企業が進出したことにより、急速に成長した。
フェニックス発展のもう一つの要因は、温暖で乾燥した気候が多数の観光客と避寒客を誘引し、また、全国的なコンベンション(大会)の地として有名になり、退職した人々の余生の地となったことである。1970~80年の人口増加率は31%、1980~2000年の増加率は72%と大きく、人口急増都市である。1868年にかつてのインディアン集落の地に白人が定住地を建設し、81年に町となった。91年鉄道が開通し、1912年に州都となった。隣接のテンプにアリゾナ州立大学がある。
[菅野峰明]
フェニックス(不死鳥)
ふぇにっくす
phoenix
古代エジプトの想像上の鳥で、不死鳥と訳される。フェニックスはアラビアまたはフェニキアにすみ、史家タキトゥスによれば、500年ごとに太陽の都ヘリオポリスを訪れ、生命の終わりが近づくと、香木を山と重ねて火をつけ、自らを焼き、たえなる歌声とともに死に至るといわれている。そしてその灰の中からよみがえるのが次代のフェニックスであり、同時に二羽のフェニックスはこの世に存在しない。
ギリシア語のフォイーニックスは、フェニキア、紫、ナツメヤシの三つの意味をもつ。そこで、生地はフェニキア、王者の色として紫の色を身にまとうといい、勝利のシンボルとしてのナツメヤシと同一視される。オウィディウスによれば、フェニックスは一般の鳥が食べる草や実を食せず、香木の樹液を飲み、500年ののちにシュロの木に巣をつくり、香木を集めてその上で身を焼き、その身体から生じた幼鳥が巣を太陽の都へ持ち運び、ヒュペーリオンの神殿の前に置くという。キリスト教のシンボルとしては、再生するキリストを表し、一般にはその不死の姿から薬屋の看板として長く用いられてきている。イギリスのエリザベス1世はフェニックスをメダルに刻ませていた。
[船戸英夫]
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フェニックス
Phoenix
ヤシ科の高木または低木で雌雄異株。幹は単一または束生し,表面は古い葉柄の基部でおおわれている。葉は披針形で羽状全裂し,光沢ある緑色,内向すり合せ状(これは本属だけに見られる特殊なもの),裂片または羽片は披針形または剣状で先端はとがる。葉柄は比較的短く,鋭く長いとげがある。肉穂花序は葉間に出よく枝を分岐する。花弁は3枚で通常,離生する。おしべは6本で,雌花では鱗片状に退化している。子房は3個で離生。果実(この果実をデーツdateという)は液果状で,なかに1個の種子を有し,長楕円形で,黄,橙,朱,紫黒を帯び,種子には深い縦溝があり,胚乳は硬角状,胚は小型で通常,背生。台湾からインド,ヒマラヤ,スリランカ,イラン,イラク,アラビア半島,アフリカ,カナリア諸島,マダガスカルなど広域に分布し,17種を産する。属名は果実が赤紫色になるので,ギリシア語で赤紫色と同意義と訳された〈フェニキア人〉からきたという説と,神話の不死鳥フォイニクスによるとの説がある。
この属のうちで商業上もっとも重要なものはナツメヤシP.dactylifera L.(英名date palm)で,西アジアからアフリカの乾燥地域の重要な果樹である。本種以外では主に観賞用として重要なものに次の種類がある。カナリーヤシP.canariensis Hort.ex Chabaud(英名Canary date palm)はフェニックス属のなかではナツメヤシとともにもっとも大きくなるヤシで,高さ10~15m,直径50~90cmに達する。葉は羽状全裂で長さ5~7m,ほぼ弧状に曲がり,150~200対の小葉を有する。小葉は剣形,細長くとがり,下部のものは長さ5~15cmのとげに変化している。雌雄異株であるので,栽培中の自然交配性が強く,原産地以外では他種と交雑したものが多く栽植されている。カナリア諸島の原産で耐寒性があり,日本の暖地でワシントンヤシとともに広く栽培される。普通,並木とし,庭園にも植える。また鉢植えとし室内装飾用とするほか,花序を生花用とする。シンノウヤシP.humilis Royle var.loureirii Becc.(英名pygmy date palm)は普通,鉢植えとして室内装飾用とされるやや小型のヤシで,高さ2~3mに達する。普通にはP.roebelenii O'Brienの学名で知られ,園芸業者はロベと称している。葉は羽状全裂し,長さ1~2m,裂片は40~50対,長さ20~30cm,幅1cmぐらい。フェニックス属では最細,最軟の葉を有する。インドシナ,ミャンマー,インド(アッサム)の原産で,耐寒性があり0℃までは露地栽培ができる。台湾産のソテツジュロP.humilis Royle var.hanceana Becc.の果実や新芽は食用とされるが,同様に,この属の果実は,ほとんどの種のものが食用にされている。またインドに分布するサトウナツメヤシP.sylvestris Roxb.の花梗を切って出る糖液は,煮つめて砂糖を採ることがある。
執筆者:初島 住彦
フェニックス
Phoenix
アメリカ合衆国アリゾナ州中南部にある同州の州都。人口146万1575(2005)。1867年灌漑農業の開始とともに創設され,ソルト川開発事業の進行により,農業地帯の中心都市として発達したが,第2次大戦後,電子産業をはじめとする工業の発展により急速な拡大をみた。乾燥・温暖な気候に恵まれ,とくに冬季の観光・保養都市として有名である。白人侵入以前にこの地で灌漑農業を行っていたホホカム・インディアンの遺跡の上に,白人開拓者が新しい都市を建設し〈不死鳥〉を意味する地名をつけた。
執筆者:矢ヶ崎 典隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
フェニックス
Phoenix
- 職業・肩書
- ロック・ベース奏者
- 国籍
- 米国
- グループ名
- グループ名=リンキン・パーク〈Linkin Park〉
- 受賞
- グラミー賞(ベスト・ハード・ロック・パフォーマンス部門,第44回)〔2002年〕,グラミー賞(ベスト・ラップ/ソング・コラボレーション部門,第48回)〔2006年〕
- 経歴
- 1996年マイク・シノダ(ボーカル,ギター,キーボード)、ブラッド・デルソン(ギター)、ロブ・ボードン(ドラムス)、ジョー・ハーン(DJ)とロックバンド、ゼロを結成してベースを担当。’99年チェスター・ベニントン(ボーカル)が加入して6人組となり、バンド名をハイブリット・セオリーに変更。ヒップホップ、パンク、インダストリアルなどを融合した攻撃的な音を目指し、曲作りを行う。その後、バンド名をリンキン・パークに改め、2000年10月ファーストアルバム「ハイブリッド・セオリー」を発表。全米第2位の大ヒットとなり、瞬く間に世界中で約1500万枚を売り上げるなど一躍ロック界の新星として注目を集める存在となった。2001年公演で初来日。2002年グラミー賞では同作が3部門にノミネートされ、ベスト・ハードロック・パフォーマンス部門を受賞。2003年セカンドアルバム「メテオラ」を発表し、全米チャート初登場で第1位を獲得。2006年にはジェイ・Zとのコラボレーションによる「ナム/アンコール」がグラミー賞のベスト・ラップ/ソング・コラボレーション部門を受賞。同年サマーソニック出演のため来日。2007年3枚目のアルバムとなる「ミニッツ・トゥ・ミッドナイト」も世界中で大ヒットし、同作からのシングル「ワット・アイブ・ダン」はマイケル・ベイ監督の映画「トランスフォーマー」の主題歌に選ばれた。2007年7月幕張メッセで開催されたライブアースに出演、11月には単独での日本ツアーを行った。他のアルバムに「ア・サウザンド・サンズ」(2010年)、「リヴィング・シングス」(2012年)、「ザ・ハンティング・パーティー」(2014年)などがある。
出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報
フェニックス
Phénix
フランスが 1968年に着工,1973年から運転を始めた高速増殖炉の原型炉で,熱出力は 62.5万 kW,電気出力は 25万 kW。 1967年に臨界に達し,1970年夏に改良工事が終わった高速実験炉「ラプソディ」 (熱出力2万 kW) の経験を生かし,燃料 1tにつき1日あたり5万~10万 MWという高い効率といわれ,イギリスのドーンレイの原型炉に次いで西側諸国では2番目の高速増殖炉であった。一時運転を停止していたが,1998年より核種変換のための照射研究を目的として運転を再開している。フランスは次の段階の実証炉スーパー・フェニックスを建設し,1986年初めに運転を開始したが,使用済み燃料一時貯蔵タンクからのナトリウム漏れ事故などのトラブルが続き,1998年閉鎖が決まった。
フェニックス
Phoenix
アメリカ合衆国,アリゾナ州の州都。州の中部南寄りでソルト川の岸にある。 1870年入植,1912年州都となる。気候は乾燥し,冬も温暖。フットボールやロデオ,ゴルフの開催地としても有名。また第2次世界大戦後は電子,アルミニウムなどの工業が盛ん。 11年完成のルーズベルトダムの灌漑によって豊かな農業地帯となった。ソルト川流域の商業の中心。周辺では綿花,野菜,メロン,ブドウなどが生産される。フェニックス・カレッジ,高齢者保養施設サンシティー,大規模なコンベンション施設フェニックス・シビックプラザ,国際空港などがある。人口 144万5632(2010)。
フェニックス
phenix; phoinix; phoenix
古代エジプトの太陽崇拝と関連する伝説上の霊鳥。この鳥はわしと同じ大きさで,羽根は燃えるような緋と金色で,美しい声で鳴き,500年以上生きるが,一度に一羽のみ生存する。寿命が尽きる頃,香木や香料で巣を作り,その中にこもって火をつけて焼け死ぬが,その灰の中から新しい若鳥が生れ,没薬の卵に父の遺灰を入れてエジプトのヘリオポリスに飛び,太陽神殿の祭壇に安置するという。一説によれば,末期を迎えた鳥はヘリオポリスに飛び,祭壇上でみずからを供犠として焼け死に,その炎の中から若鳥が生れるという。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
百科事典マイペディア
「フェニックス」の意味・わかりやすい解説
フェニックス
ヤシ科ナツメヤシ属の総称。アジア,アフリカにナツメヤシなど十数種が知られているが,交雑種も多い。葉は幹の頂に束生。雌雄異株で,黄色の小花を開く。日本ではシンノウヤシ,カナリーヤシなどが,暖地で栽培されている。
→関連項目ヤシ(椰子)
フェニックス[諸島]【フェニックス】
中部太平洋,トケラウ諸島北方の環礁群。カントン,エンダベリー,フェニックスなど8島からなり,1979年独立のキリバスに属する。コプラを産し,カントン島はかつて南太平洋航空路の中継基地として重要であった。約30km2。定住民がいるのはカントン島のみ。
→関連項目ギルバート[諸島]
フェニックス
米国,アリゾナ州の州都。ソルト川河谷の中心を占める。周辺は乾燥地であるがダムによる灌漑(かんがい)農業で綿花,野菜,果実,花卉(かき)が生産され,それらの取引,加工の中心。アルミニウム,電子機器,航空機器などの工業も盛ん。観光も重要産業で,ロデオ大会,インディアン穴居跡などが著名。1867年創設。144万5632人(2010)。
→関連項目アリゾナ[州]
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フェニックス
正式社名「株式会社フェニックス」。英文社名「PHENIX CO., LTD.」。繊維製品製造業。昭和28年(1953)「株式会社鳳商会」設立。同42年(1967)現在の社名に変更。本社は東京都新宿区新宿。スポーツウェアメーカー。スキー・スノーボードウェアのシェアトップクラス。ほかにサッカー・アウトドア・ゴルフ用など。アウトレットモールなどに直営店を出店。
出典 講談社日本の企業がわかる事典2014-2015について 情報
フェニックス〔道の駅〕
宮崎県宮崎市にある道の駅。国道220号に沿う。「フェニックス」の名は国道220号線の宮崎市加江田から日南海岸に至る区間の愛称「日南フェニックスロード」から。
フェニックス〔キャラクター〕
ロールプレイングゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズに登場する召喚獣。炎を操る不死鳥。初登場は1992年の「ファイナルファンタジーV」。
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世界大百科事典(旧版)内のフェニックスの言及
【火】より
…しかしその象徴的意味は創造と破壊という背反する要素を併せもつ。一方,両者を統合する寓意として,火に焼かれたのち灰から再生するフェニックスの伝説が成立し,試練と再生の象徴ともなっている。火を重要視したゾロアスター教では,人間と雄牛を生む源となった聖火は,同時に光明神アフラ・マズダがこの世に君臨していることの証左として神殿で燃やし続けられた。…
【フォイニクス】より
…もともと〈深紅色〉を意味する古代ギリシア語で,この名をもった神話・伝説中の2人の人物と1羽の鳥が有名。慣用ではフェニックスPhoenix。(1)フェニキア王アゲノルAgēnōrの子。…
※「フェニックス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」