出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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フェニルヒドラジン
フェニルヒドラジン
phenylhydrazine
C6H8N2(108.14).C6H5NHNH2.ヒドラジノベンゼンともいう.ベンゼンジアゾニウム塩を亜硫酸塩あるいは塩化スズ(Ⅱ)などで還元すると得られる.融点23 ℃,沸点241~242 ℃,137~138 ℃(2.4 kPa).
1.0978.
1.6081.空気中で酸化され褐色となる.エタノール,エーテル,ベンゼンに可溶.弱い塩基性を示し,普通,塩酸塩の形で用いられる.アルデヒドやケトンと反応してフェニルヒドラゾン,またα-ケトールと反応してオサゾンの結晶を生成するので,これら化合物の確認試薬として用いられる.また,ピラゾールやピリダジンなどの複素環化合物や染料の合成の原料にも用いられる.LD50 188 mg/kg(ラット,経口).[CAS 100-63-0]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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フェニルヒドラジン(データノート)
ふぇにるひどらじんでーたのーと
フェニルヒドラジン

分子式 C6H8N2
分子量 108.1
融点 19.6℃
沸点 243℃
比重 1.0978(測定温度20.3℃)
屈折率 (n
)1.6083
フェニルヒドラジン
ふぇにるひどらじん
phenylhydrazine
ヒドラジンの誘導体。ヒドラジノベンゼンともいう。純粋なものは無色。空気と光にさらすと黄色から暗赤色になる。ベンゼンジアゾニウム塩を亜硫酸ナトリウム、塩化スズ(Ⅱ)などで還元して合成する。弱い塩基性があり、種々の酸と付加化合物の塩をつくるが、普通、塩酸塩の形で取り扱われることが多い。水にはほとんど溶けないが、エタノール(エチルアルコール)、エーテルにはよく溶ける。毒性があるので取扱いには注意を要する。カルボニル化合物と縮合してヒドラゾンを、糖と反応してオサゾンを、酸と反応してヒドラジドを生じるので、これらの化合物の分離、確認のための試薬として重要である。
[務台 潔]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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フェニルヒドラジン
phenylhydrazine
化学式は C6H5NHNH2 。ベンゼンのジアゾニウム塩を亜硫酸,塩化スズ (II) などで還元してつくられる無色板状晶または液体。融点 23℃,沸点 241℃。有毒。一酸塩基で,種々の酸と付加化合物の塩をつくる。アンチピリンの原料,または糖類,ケトン,アルデヒドに対する分離や確認の試薬である。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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