フェノバルビタール

デジタル大辞泉 「フェノバルビタール」の意味・読み・例文・類語

フェノバルビタール(phenobarbital)

バルビツール酸誘導体。中枢神経系を抑制し、催眠作用や鎮静作用を有する。抗てんかん薬にも用いる。

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百科事典マイペディア 「フェノバルビタール」の意味・わかりやすい解説

フェノバルビタール

催眠・鎮静・抗痙攣(けいれん)薬。バルビツール酸誘導体(フェニルエチルバルビツール酸)で,白色結晶または結晶性粉末,無臭苦味。催眠作用は持続型。また鎮静薬として悪心(おしん),嘔吐(おうと)などに,抗痙攣薬として癲癇発作などに適用する。連用による慢性中毒では各種精神機能の低下をきたし,服用中,肝・腎機能検査などを定期的に受けることが必要。劇薬。(図)→バルビタール
→関連項目催眠薬

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化学辞典 第2版 「フェノバルビタール」の解説

フェノバルビタール
フェノバルビタール
phenobarbital

5-ethyl-5-phenylbarbituric acid.C12H12N2O3(232.24).ルミナールともいう.フェニルエチルマロン酸ジエチルと尿素とを縮合させると得られる.白色の結晶.融点174~178 ℃.エタノールエーテルアセトンに易溶,クロロホルムに可溶,水に難溶.pK1 7.3,pK2 11.8.λmax 240 nm(ε 6600).バルビツル酸系の長時間型催眠薬で,抗けいれん作用も強く,抗てんかん薬としても用いられる.LD50 660 mg/kg(ラット経口).[CAS 50-06-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェノバルビタール」の意味・わかりやすい解説

フェノバルビタール
ふぇのばるびたーる
phenobarbital

長時間作用型のバルビツール酸系化合物。催眠鎮静剤抗てんかん剤として繁用されている。1912年にドイツのバイエル社から「ルミナール」の商品名で発売された。「ルミナール」の名は現在でもフェノバルビタールの代名詞となっている。白色の結晶または結晶性粉末で、においはなく、味は苦い。抗てんかん剤としてもっとも多く使用されている。劇薬。

 極量は、経口では1回0.25グラム、1日0.5グラム、皮下筋肉注射では1回0.2グラム、1日0.5グラム。通常、1日0.03~0.2グラムを内服する。原末のほか、10倍散、錠(30ミリグラム含有)、ドライシロップ(10%含有)、エリキシル(0.4%含有)、注射液(1ミリリットル中100ミリグラム含有)、坐剤(ざざい)が市販されている。

[幸保文治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェノバルビタール」の意味・わかりやすい解説

フェノバルビタール
phenobarbital

C12H12N2O3 。ルミナールともいう。バルビツル誘導体系の長時間作用型鎮静催眠剤。エチル化フェニルマロン酸エステルと Na- アルコラートの存在下で尿素と縮合させて合成する。若干苦みのある結晶。水にはわずかに溶け,アルコール,エーテル,クロロホルムによく溶ける。抗けいれん作用も強力である。

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世界大百科事典(旧版)内のフェノバルビタールの言及

【癲癇】より

… 薬物として癲癇の痙攣発作を抑制するために用いられるのが抗癲癇薬(抗痙攣薬)である。これにはフェノバルビタールおよびその化学構造を一部変えた化合物が用いられる。フェノバルビタールは長時間型バルビツレートで,抗癲癇薬として最初に用いられ,現在でも広く用いられている。…

※「フェノバルビタール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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