出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
5-ethyl-5-phenylbarbituric acid.C12H12N2O3(232.24).ルミナールともいう.フェニルエチルマロン酸ジエチルと尿素とを縮合させると得られる.白色の結晶.融点174~178 ℃.エタノール,エーテル,アセトンに易溶,クロロホルムに可溶,水に難溶.pK1 7.3,pK2 11.8.λmax 240 nm(ε 6600).バルビツル酸系の長時間型催眠薬で,抗けいれん作用も強く,抗てんかん薬としても用いられる.LD50 660 mg/kg(ラット,経口).[CAS 50-06-6]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
長時間作用型のバルビツール酸系化合物。催眠鎮静剤、抗てんかん剤として繁用されている。1912年にドイツのバイエル社から「ルミナール」の商品名で発売された。「ルミナール」の名は現在でもフェノバルビタールの代名詞となっている。白色の結晶または結晶性粉末で、においはなく、味は苦い。抗てんかん剤としてもっとも多く使用されている。劇薬。
極量は、経口では1回0.25グラム、1日0.5グラム、皮下・筋肉注射では1回0.2グラム、1日0.5グラム。通常、1日0.03~0.2グラムを内服する。原末のほか、10倍散、錠(30ミリグラム含有)、ドライシロップ(10%含有)、エリキシル(0.4%含有)、注射液(1ミリリットル中100ミリグラム含有)、坐剤(ざざい)が市販されている。
[幸保文治]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… 薬物として癲癇の痙攣発作を抑制するために用いられるのが抗癲癇薬(抗痙攣薬)である。これにはフェノバルビタールおよびその化学構造を一部変えた化合物が用いられる。フェノバルビタールは長時間型バルビツレートで,抗癲癇薬として最初に用いられ,現在でも広く用いられている。…
※「フェノバルビタール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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