フラボノール

化学辞典 第2版 「フラボノール」の解説

フラボノール
フラボノール
flavonol

3-hydroxyflavone.C15H10O3(238.24).狭義には,3-ヒドロキシフラボンをさす.この化合物天然には存在しない.無色の針状晶.融点178~179 ℃.λmax 239,243(肩),306,344 nm広義には,その両ベンゼン核にヒドロキシ基をもつ誘導体の総称で,フラボノール類(フラボノイド一群)は黄色色素として植物界に広く分布しており,ケンペロールクエルセチンミリセチンアピゲニンルテオリンなどがそれらの代表例である.多くの場合,3位で配糖体を形成しており,また硫酸エステルも多い.それらは位置特異性の異なるフラボノールスルホトランスフェラーゼによって生合成される.[CAS 577-85-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「フラボノール」の意味・わかりやすい解説

フラボノール
flavonol


3-ヒドロキシフラボンともいう。黄色針状結晶,融点170℃。黄色色素として植物界に広く存在する。濃硫酸に溶けて黄色を示し,この溶液紫色蛍光を発する。ルチンケルセチン,フィゼチンなどフラボノールのヒドロキシ誘導体は,天然に配糖体として存在する場合が多い。黄色染料として多く用いられるほか,フラボノール誘導体は高血圧予防などの医薬品として利用されるものもある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

栄養・生化学辞典 「フラボノール」の解説

フラボノール

 (1) フラボノイド色素のうち,フラボンの3位の炭素原子ヒドロキシル基をもつ化合物のこと.ケルセチン,ルチンなどがある.

 (2) C15H10O3(mw238.24).

 この化合物を特定してフラボノールということもある.植物色素一つ

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フラボノール」の意味・わかりやすい解説

フラボノール
flavonol

化学式 C15H10O3 。3-オキシフラボンに相当する。黄色色素として植物界に広く分布している。染料として利用されたこともある。 (→フラボン )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android