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フリーオ ふりーお Friio

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知恵蔵2015の解説

フリーオ

2007年4月に登場した、パソコンデジタル放送受信チューナー。ただし、一般的なチューナーとは異なり、日本の地上デジタル放送/BSデジタル放送/CS110度デジタル放送で利用されている、B-CASシステムを利用した著作権保護技術を回避し、自由にコピーや改変が可能な形にして録画を行う。
本来日本国内向けのデジタル放送受信チューナーは、放送コンテンツの著作権保護のため、ARIB(社団法人 電波産業会)の定める運用規定を守り、B-CASカード発行審査に合格し、B-CASカードの発行を受けた製品のみが販売される、ということになっている。また、不正競争防止法により、著作権保護技術を回避することを目的とした機器(いわゆるコピーガードキャンセラー)の販売が禁止されているため、監督省庁および関連業界内では、「B-CASシステムを使った著作権保護は強固である」との認識が一般的であった。
だがフリーオは、それらの仕組みをすべてかいくぐっている。
受信に必要となるB-CASカードは添付せず、「ユーザー手持ちカードを流用させる」形を採る。また、不正競争防止法による販売規制は「国内での販売規制」を目的とした法律であるため、その適用を逃れるため、海外の製造元から、ウェブサイトを通じた「個人輸入」の形で直接販売する、という仕組みを採っている。同様の狙いからか、販売ウェブサイトには販売元・製造元の企業情報が意図的に記載されていない。製品は台湾から発送されていることから、販売元は台湾を拠点としていると考えられている。
現状では、フリーオの存在を現行の法律で規制するのは難しいと考えられており、総務省はこの種のチューナーの規制を検討している。
個人利用についても、B-CASカードの流用に関して「利用に関する契約に違反する」との見解はあるものの、刑事的に取り締まる根拠はないとみなされている。もちろん、一般的なチューナーで受信した場合と同様に、受信した映像を私的利用の範囲を超えてコピーすることは、著作権法違反となる。
B-CASカードの流用による著作権保護技術の回避、という流れは想定外の事態であり、放送業界に大きな衝撃を与えた。
デジタル放送の著作権保護は、当初より「制限が厳しすぎる」という批判が大きかった。フリーオは、そういった不満を持つマニアを中心に熱狂的に支持され、一時は在庫不足で購入が難しいほどになっていた。また、「B-CASカードセットで販売、カードの発行段階で機器を審査することで、著作権保護を守らない機器を排除する」という枠組みそのものが、「B-CASカードが普及すればするほど形骸化する」という矛盾を抱え込んでいることも明確になった。
これらのことから、総務省を中心にデジタル放送の著作権保護のあり方を見直す論議が活発化、パソコン用デジタル放送チューナーの開発・販売の規制緩和につながった。

(西田宗千佳 フリージャーナリスト / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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