日本大百科全書(ニッポニカ) 「チューナー」の意味・わかりやすい解説
チューナー
ちゅーなー
tuner
多くの電波のなかから希望の電波を選別する回路または装置。選局装置ともいう。FMチューナーやテレビチューナーのように受信する放送方式を明確にしてよぶ場合と、VHFチューナー、UHFチューナーあるいはSHFチューナーのように受信周波数帯を示す呼び方とがある。テレビ受像機のチューナーは、アンテナに到達した電波がフィーダー(給電線)を経たのちに通る最初の回路である。一般に高周波増幅回路、混合回路、局部発振回路および選局のための同調回路からなるが、高周波増幅回路は省略される場合もある。同調方法に機械式と電子式とがあるが、最近は電子式が多い。これは、電圧によって静電容量(キャパシタンス)が変化するダイオード(バラクターダイオード)を使って同調をとっている。AMやFMの受信機では、フィーダー出力の電波を加える端子から音声信号出力までの装置をチューナーとよび、その構成はテレビ受像機と違って、混合回路に続く中間周波増幅器、検波器、および音声増幅器までを含むのが普通である。なお、その出力信号はプリアンプ(前置増幅器)に加えられる。
[木村 敏・金木利之]