ブラジャー(英語表記)brassière[フランス]

精選版 日本国語大辞典 「ブラジャー」の意味・読み・例文・類語

ブラジャー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] brassiere 元来はフランス語 ) 胸の形を整えるために用いる、乳房を包む形の婦人用下着。ブラ。
    1. [初出の実例]「ブラジャアを当てているんだろう?」(出典:絶壁(1949)〈井上友一郎〉二)

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改訂新版 世界大百科事典 「ブラジャー」の意味・わかりやすい解説

ブラジャー
brassière[フランス]

乳房を支え,胸の形を整えるために用いる女性用下着の一種。もともとの意味は負いひもをあらわす。ほかにアップリフトuplift,バンドーbandeau,ブラbraなどともいう。吸湿性,通気性のある木綿や,伸縮性のある化学繊維などの素材が用いられる。乳房をおさえたり形を強調したりする下着としては,古代ギリシア・ローマ時代のファスキアfasciaというひも状のものや,革の胴衣などがあった。中世にはのりなどで前面をかためて成形した胴衣があらわれ,18世紀には鯨のひげを細かくさしこんでつくった胸までもあるコルセットで,乳房をおさえ扁平に見せた。19世紀の中ごろにコルセットと分離し,針金などで乳房の形をつくったものに布をかぶせた乳房支持具が生まれ,その後さまざまな形のものがあらわれた。20世紀初めには肩ひものついた製品が売り出され,ブラジャーの名がつけられた。日本でブラジャーやコルセットが使われはじめたのは鹿鳴館時代であるが,使用したのは一部の女性のみであった。昭和初期に乳房バンドの広告が出されたが,当時の女性はむしろ乳房を目だたせないよう晒(さらし)やガーゼで胸を巻いていた。今日見られるようなブラジャーは1950年に初めて売り出された。

 ブラジャーの種類にはバンドー型と呼ばれる短い丈のものと,ウエストまである長いものがある。またカップの形によって乳房全体を包むものやハーフ・カップなどに分けられる。その他,ワイヤの入ったもの,カップに縫い目のないもの,ひものないもの,前でとめるものなど形,機能,用途による種類は多い。またサイズはアンダーバストとトップバストの差によって表し,10cmはAカップ,13cmはBカップ,15cmはCカップなど,AA,AからEまであり,アンダーバストの寸法でB70というように表示される。
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百科事典マイペディア 「ブラジャー」の意味・わかりやすい解説

ブラジャー

胸の形を整えるために用いる女性用下着。普通は肩ひも(ストラップ)がついているが,ストラップレスや,前で止めるもの,ワイヤ入りのものなどさまざまな形がある。1914年,アメリカのメアリー・フェルプス・ジェーコブがコルセットにとってかわるものとして特許取得。その特許をワーナー・ブラザース社が買いとり販売することで普及した。日本で普及したのは1950年代になってからである。
→関連項目下着ファウンデーション

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世界大百科事典(旧版)内のブラジャーの言及

【下着】より

…いずれも吸湿性,通風性,伸縮性,保温性に富む素材でつくられ,メリヤスなどニット製品が多い。ファウンデーションは女性用で,ブラジャー,ウエストニッパー,ボディスーツ,コルセット,ガードルなど胸やウエスト,腹部などをひきしめ,ヒップ・アップなど体型を整えるために用いられ,伸縮性と体に密着する性質をもつ素材でつくられる。ランジェリーも女性用でスリップ,キャミソール,ペティコートなどがあり,上に着る衣類のすべりをよくし,汚れや傷みを防ぐために用いる。…

※「ブラジャー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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