バスト(英語表記)bast

翻訳|bast

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バスト」の意味・わかりやすい解説

バスト
Bast

古代エジプトの女神。バステトあるいはバステートともいう。ナイルデルタ地帯のブバスティス (「バストの館」を意味するペル・バステトからこの名が出たとされる) で広く崇拝され,ブバスティスの守護神とされた。ネコまたは雌ライオンの頭をしている。数多くの青銅製のバスト像が,ブバスティスから巡礼の手によってエジプト全土へ運ばれた。しばしばセクメトと同一視されたこともあって,恵みの神であると同時に戦いの神ともみなされた。片手シストルム,片手にアイギスのような楯を持ち,片腕に籠を掛けた姿で表わされることが多い。

バスト
bast

イランで認められた聖域への避難ペルシア語で「閉じた」の意味。その内部へは警吏でも踏込むことが許されず,違法者がこの内部に入り込めば,そこには警吏の手が及ばなかった。一般にモスク,聖者廟,王宮の厩,砲兵隊付近がそれであり,近代では外国公館,電信局などがそのために認められた。イラン立憲革命のとき,立憲派専制圧迫を逃れて,これらに避難して政治的抗議を行なった。イラン革命ではテヘラン大学内に抗議のバストが行われた。

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