デジタル大辞泉 「ブレスト」の意味・読み・例文・類語
ブレスト(Brest)
《Brest/Брэст》ベラルーシ南西部、ブレスト州の都市。同州の州都。ポーランドとの国境に近く、交通の要地。1319年から1939年までリトアニア領となり、ブレストリトフスクと呼ばれた。第一次大戦末、ロシア革命政権がドイツおよび同盟国との間でブレストリトフスク条約を締結したブレスト要塞があることで知られる。
ベラルーシ共和国の南西部,ポーランドとの国境沿いにある同名州の中心都市。人口30万0124(2004)。11世紀にブーグ川の渡船場につくられた集落に始まる。名前は付近のニレの木,あるいは古代経済で重要な役割を果たしたシラカバの樹皮に由来するといわれる。14世紀にリトアニアの支配下に入り,その後1921年までリトアニアの名をとってブレスト・リトフスクBrest-Litovsk,1921-39年ブレスト・ナド・ブーゴム,39年現名に改称。と呼ばれた。16世紀から18世紀末までと1919年から39年まではポーランド領であった。1830年代に今日も遺跡として残る城塞が築かれた際,現在のムハベツ川とブーグ川の合流点に移った。この町は成立の当初から東欧諸国とキエフ・ロシア,さらに黒海方面を結ぶ通商路の分岐点として知られていたが,現在も基幹的な鉄道と道路が走り,ヨーロッパに通ずる〈門〉として機能している。ここは第1次世界大戦末にソビエト政権がドイツなど4国と講和条約〈ブレスト・リトフスク条約〉を結んだ所としても有名である。
執筆者:横手 慎二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ベラルーシ(白ロシア)共和国ブレスト州の州都。ブク川に合流するムハベツ川右岸の隆起した平地に発達した。ポーランド国境に近く、ポーランド側の都市テレスポールと対峙(たいじ)する。人口29万9200(1998)、34万7576(2018推計)。鉄道・道路交通上の要地で河港もあり、軍事上も重要である。第一次世界大戦の対独講和のブレスト・リトフスク条約(1918)締結地として有名。古いスラブ人集落で、1044年から12世紀中葉までキエフ大公国に属したが、その戦略的位置のため1319年リトアニア領となり、その名をとって1939年までブレスト・リトフスクБрест‐Литовск/Brest-Litovskとよばれた。16世紀にポーランド領となるが、1795年以降ロシア領、1919~1939年ふたたびポーランド領。食品工業(食肉、乳製品、製粉、製パン)や家具、縫製の軽工業に加えて、精密機械、照明器具、測定機器などが生産されている。
[山本 茂]
フランス西部、フィニステール県の港湾都市。人口14万9634(1999)、13万9163(2015センサス)。ブルターニュ半島の先端部、ブレスト湾に面する。ローマ時代からの港で、1342~97年イギリスが占領。ブルターニュ公国の帰趨(きすう)に伴って1532年フランス王領となる。17世紀に軍港となり、J・B・コルベールによって整備され、ボーバンが要塞(ようさい)化した。現在、大西洋岸ではフランス最大の軍港となり、海軍工廠(こうしょう)、兵学校が置かれている。商港としても重要で、イギリスとの貿易が盛ん。後背地が狭く、大都市から隔たっているため工業化が遅れてきた。しかし、鉄道、道路網、空港を整備することにより、火力発電所や電気機械(とくにレーダー、通信機械)、造船、化学、既製服製造などの工業が発達した。大学、ブルターニュ海洋研究所、国立海洋開発研究所が立地するなど、1960~1970年代、人口増加が著しく、とくに周辺の農村部から人口が流入した。第二次世界大戦中、ドイツ軍の潜水艦基地となったため連合国軍の猛爆撃を受け、甚大な被害を受けた。美術館は再建され、17~19世紀絵画のコレクションがある。
[高橋伸夫]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(2013-2-27)
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出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
…30年以降体制はしだいに抑圧的となり,選挙干渉が公然となった。反抗的野党政治家はブジェシチBrześć(現ベラルーシ領ブレスト)の強制収容所に送られた。 経済的にこの期前半はイギリスの炭鉱ストに助けられて石炭の輸出景気を味わったが,後半は世界大恐慌に直撃されて国民所得が1929‐33年に25%も下落し,失業率が33‐35年に40%に達するなど悲惨な状態となった。…
※「ブレスト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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