翻訳|Hestia
ギリシア神話の炉の女神。オリュンポスの十二神のひとり。クロノスとレアの長女として生まれた彼女は,ポセイドンとアポロンの2神に求婚されたが,弟にあたるゼウスにすがって永遠の処女を守る誓いをたてた。そこでゼウスは,結婚の喜びのかわりに,彼女がすべての人間の家でその中央に座を占め,犠牲の最良の部分を得ること,またすべての神殿で他の神々と栄誉をわかつことを定めたという。古代人の理解するところでは,ポリス(都市国家)は家の大きな集合にすぎなかったから,各家庭に炉があるように,ポリスもまた国家としての炉をもつ必要があった。このため多くのポリスではプリュタネイオン(市庁)に国家の炉をもうけて彼女をまつり,植民市建設の際にも,この炉からとった火を植民者に与えて新市に伝えさせた。彼女の名は〈炉〉そのものの意で,ローマ人からは語源を同じくする彼らの女神ウェスタと同一視された。
執筆者:水谷 智洋
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…古代ローマのかまどの女神。ギリシア神話のヘスティアにあたる。彼女は各家庭で崇拝されると同時に,国家のかまどの女神としてローマ人の精神的支柱の一つであった。…
※「ヘスティア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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