ヘテロ接合(読み)ヘテロセツゴウ(その他表記)hetero junction

デジタル大辞泉 「ヘテロ接合」の意味・読み・例文・類語

ヘテロ‐せつごう〔‐セツガフ〕【ヘテロ接合】

hetero-junction異種半導体をつなぐことにより新たな効果を生み出させる接合ガリウム砒素ひそとガリウム・アルミニウム砒素の接合が詳しく研究されている。→ガリウム砒素

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘテロ接合」の意味・わかりやすい解説

ヘテロ接合
ヘテロせつごう
hetero junction

組成元素が異なる固体分子線エピタクシーなどの技術で接合すること。その接合体をヘテロ構造という。異種接合ともいう。通常,各固体中の電子のエネルギー間隙 (エネルギーギャップ ) は異なるが,結晶構造および格子定数が似ている半導体などの材料を組み合わせてつくる。同種の固体でつくるのはホモ接合と呼ぶ。組み合わせによって,p-n,n-n,p-pの接合が形成され,構造によって電子現象が変わってくる。電子のエネルギーバンド構造がなめらかにつながることはほとんどなく,接合部に急峻な変化が生じ,伝導帯と価電子帯のエネルギー障壁の高さの違い,電子と正孔の輸送の仕方の違いから電子電流あるいは正孔電流のみが流れることなどを使い,多彩な電子現象を実現できるのが最大の特徴である。発光部分を局所的に集中して,効率よく発光するようにした半導体レーザー,広い波長域にわたって効率よく光を電気に変換できる太陽電池などのほか,半導体を周期的にヘテロ接合させた超格子など,ヘテロ接合を使った多くの素子が実現している。

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化学辞典 第2版 「ヘテロ接合」の解説

ヘテロ接合
ヘテロセツゴウ
heterojunction

異種の物質間の接触により障壁が生じているもので,金属絶縁物,半導体間の各種の組合せで生成するが,一般に半導体どうしの接触をさす.この接合は,両半導体の電子親和力仕事関数の違いにより,接合部分の伝導帯や価電子帯に不連続や曲がりを生じ,整流性や光起電力効果に特異性がみられる.異種の半導体によるp-n,p-p,n-n接合があり,半導体もGeやSiをはじめ,周期表3~15族,2~16族,ほか各種の化合物半導体が利用される.すぐれた接合を得る条件としてもっとも重要なことは,両半導体の格子定数の差が小さいこと,接合部分に界面準位を生じないことなどである.代表的な実用例として,GaAsダイオードレーザーでGaAlAs層をもつものが製作され,効率や温度特性の点ですぐれた性能を発揮している.[別用語参照]p-n接合

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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