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仕事関数 しごとかんすうwork function

翻訳|work function

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

仕事関数
しごとかんすう
work function

導体または半導体中の電子でフェルミ準位にあるものを真空 (外界) に取出すのに必要なエネルギー仕事関数電子ボルトを普通は単位とし,外部光電効果熱電子放出により測定される。前者を光電子仕事関数 ( ) ,後者を熱電子仕事関数 ( ) と呼ぶ。純粋な金属では であるが,半導体では一般に である。バリウムストロンチウムの酸化物の仕事関数は小さいから,真空管の陰極の被膜に使われる。

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デジタル大辞泉の解説

しごと‐かんすう〔‐クワンスウ〕【仕事関数】

物質内の電子を外に移すのに必要な最小エネルギーの値。熱電子放出・光電子放出・接触電位差などの現象を左右する量。

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世界大百科事典 第2版の解説

しごとかんすう【仕事関数 work function】

固体の表面から真空中に電子を1個とり出すのに必要とする最小の仕事。電子の化学ポテンシャルの符号をかえたエネルギーに相当する。仕事関数は表面や界面における電子過程や,化学反応を左右する重要な量で,例えば金属表面からの熱電子放出や,電場による電子放出は,仕事関数Φの大きい金属ほど起こりにくい。光電効果において,金属表面に光を照射したとき光電子が放出されるためには,光電子は少なくとも仕事関数Φのポテンシャル障壁をこえなければならない。

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大辞林 第三版の解説

しごとかんすう【仕事関数】

物質内にある電子を一個外へ取り出すのに必要な最小エネルギー。金属では数電子ボルト程度。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

仕事関数
しごとかんすう

固体物理学の用語で、熱電子放出や光電子放出における重要な概念の一つ。金属や半導体内にある電子を表面から外部に放出させるためには、熱とか光など、なんらかのエネルギーを電子に与える必要がある。このエネルギーは温度と一定の関係があり、温度が上がるとともに減少する。仕事関数とは、絶対零度における電子放出のためのエネルギーを電子ボルト単位で表したもので、外界(真空)の電位と、金属や半導体の電子の平均エネルギー準位であるフェルミポテンシャルとの差に相当する。仕事関数は金属や半導体で異なり、半導体では不純物濃度によっても異なる。たとえばナトリウム2.28、バリウム2.51、金4.90、白金5.32、タングステン4.52などである。アルカリ金属が光電面によく利用されるのは、仕事関数が可視光のエネルギー域にあることによる。[岩田倫典]

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世界大百科事典内の仕事関数の言及

【光電効果】より

…金属内の電子のエネルギーはこの束縛ポテンシャルVと運動エネルギーの和で表されるが,Vと運動エネルギーの最大値EFとの和VEFは,真空中で静止している電子のエネルギー(真空準位という)Evacより小さい。EvacVEFとの差を仕事関数と呼ぶ。仕事関数をΦで表すことにすると,入射光のエネルギーhνがΦより大きいとき,すなわちcを光速,λを波長として,hν=hc/λ>Φならば,固体中の電子は,光からエネルギーを受け取り,真空準位以上のエネルギーを得て金属外に放出される。…

※「仕事関数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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