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ベクトル解析 ベクトルかいせき vector analysis

4件 の用語解説(ベクトル解析の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ベクトル解析
ベクトルかいせき
vector analysis

ベクトル場を扱う数学の一分野。普通は三次元ベクトルを対象とし,和,差,積を使った演算のほかに,微分,積分などを含む。物理学では,流体力学電磁気学の数学的基礎になっている。

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世界大百科事典 第2版の解説

ベクトルかいせき【ベクトル解析 vector analysis】

ベクトル値関数の微分,積分などに関連する性質を扱うのがベクトル解析である。
ベクトルの微分と積分]
 例えば一つの質点が三次元空間の中を運動しているとき,その位置を表すベクトルr(x,y,z)は時間tの関数としてrr(t)と表される。ベクトル値関数rの変数tに関する微分は,ふつうの実数値関数のときと同様に,と定義する。も同じように定義すると,はそれぞれ運動する点の時刻tにおける速度ベクトル加速度ベクトルを表す。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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大辞林 第三版の解説

ベクトルかいせき【ベクトル解析】

値がベクトルとなるような関数に関する微積分学。力学・電磁気学・流体力学などはその重要な応用領域。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ベクトル解析
べくとるかいせき
vector analysis

ベクトル場

空間の領域Dの各点P(x,y,z)に対し、関数f(P)=f(x,y,z)が対応するとき、D上のスカラー場fが定義されたという。これに対し、ベクトルの値をとる関数F(P)=(f(P),g(P),h(P))が対応するとき、D上のベクトル場Fが定義されたという(あるいは、DからR3への写像Fが定義されたという)。ベクトル場の連続性、微分可能性は、各成分関数の連続性、微分可能性で定義する。[洲之内治男]

スカラー場の勾配ベクトル

領域Dにおけるスカラー場f(x,y,z)に対し、

を成分とするベクトルをスカラー場fの勾配(こうばい)ベクトルといい

で表す。あるいは、x、y、z方向の単位ベクトルをi、j、kとすると、

と表すこともできる。
 ベクトル場F(P)があるスカラー場f(P)により、
  F(P)=(gradf)(P)
と表されるとき、ベクトル場Fはポテンシャルfをもつといい、fをFのポテンシャルという。[洲之内治男]

ベクトル場の発散と回転

領域Dで定義されたベクトル場をF(P)=(f(P),g(P),h(P))とするとき、

をつくると、これはスカラー場で、これをFの発散という。また、

をFの回転という。これらの点Pにおける値を(divF)(P),(rotF)(P)のように表す。
 形式的に、成分として微分作用素をもつベクトル

を考え、スカラー場fに対しては

ベクトル場に対しては、内積と外積をつくると、

となる。したがってベクトル計算より、
  rot(▽f)=▽×(▽f)
       =(▽×▽)f=0
  div(rotF)=〈▽,▽×F〉=0
などが得られる。[洲之内治男]

線積分とグリーンの定理

まず二次元の場合を考える。平面上の領域Dの各点(x,y)にベクトル場F(x,y)=(f(x,y),g(x,y))が定義されているとする。D内の滑らかな閉曲線C:C(t)=(x(t),y(t))をとると、Cに沿ってのFの線積分は、

で定義されたが、とくに、CをD内の閉曲線とし、時計と反対回りに向きをつけ、Cの囲む領域をとすると

となる(グリーンの定理)。これを用いると、ベクトル場F(P)=(f(x,y),g(x,y))がD内でポテンシャルをもつことと、次の条件とが同値であることがいえる。
(イ) P,Q∈Dに対し、Fの線積分はP、Qを結ぶ曲線のとり方に無関係に決まる、

であるということがいえる。よって、
  F=grad ならば

となり、微分積分学の基本定理

の拡張になっていることがわかる。[洲之内治男]

ガウスの定理

Sは滑らかな閉曲面、その囲む領域をGとし、nをS上の単位外法線とする。Gで定義された連続微分可能なベクトル場Fに対し、

が成り立つ。ここのdSは曲面S上の面積分である。[洲之内治男]

ストークスの定理

のような曲面の境界線をCとすると、Sの点に対し定義されたベクトル場Fに対し、

ここにtは曲線C上の、正の向きをもった単位接線ベクトルであり、右辺は線積分である。
 ガウスの定理の応用として、たとえば、流体の中に、閉曲面Sをとり、ρを密度、v(x,y,z)を速度とし、F=ρvと置くと、右辺がSから単位時間に流出する量、それがガウスの定理よりG内から吹き出したり、吸い込まれたりした総量に等しいことを示している。よって、div(ρv)がその点の吹き出しや吸い込みの量を表しているといえる。
 前のグリーンの定理と同様に、ストークスの定理を用いると、ベクトル場Fがポテンシャルをもつ必要十分条件は、rotF=0であり、この条件を満足するとき、FのPからQまでの積線分はP、Qを結ぶ曲線に無関係で、F=gradとすると、

 これらの定理は、一般のn次元空間でも成立する。[洲之内治男]

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