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ベニヒカゲ Erebia niphonica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ベニヒカゲ
Erebia niphonica

鱗翅目ジャノメチョウ科。前翅長 22mm内外。全体黒褐色で,前翅の両面と後翅表面には眼状紋を囲む橙赤斑がある。後翅裏面は暗褐色で,不鮮明な雲状模様がある。雌では翅表の眼状紋内に白点があるほか,橙赤色部が雄よりも狭く,また後翅裏面中央に白ないし黄色の帯が現れる。斑紋の地域変異が多い。幼虫はスゲ類を食べ,成虫は7~8月に出現する。高山チョウの1種とされ,本州では中部地方以北の高山に産するが,北海道では低地にもみられる。近縁種クモマベニヒカゲ E. ligeaはやや大型で前翅長 24mm内外,前後翅に眼状紋を含む橙赤色帯があり,後翅裏面には橙赤色帯内側に沿って白色帯がある。幼虫は高山帯にあるカヤツリグサ科やイネ科の植物を食べ,成熟に2年を要する。ユーラシア大陸北部に分布する。日本では代表的な高山チョウの1種で,北海道では利尻島と大雪山に産し,亜種 E. l. rishirizanaといい,本州では飛騨・木曽・赤石山脈,八ケ岳,白山などの高地にのみ産し,亜種 E. l. takanonisという。

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世界大百科事典 第2版の解説

ベニヒカゲ【Erebia neriene】

鱗翅目ジャノメチョウ科の昆虫。本州では高山チョウとして知られる。開張4~4.8cm。翅には暗褐色の地色に前翅と後翅とを貫く柿(かき)色帯がある。アルタイ・アムール地方,中国東北部,サハリンカムチャツカおよび日本に分布する。日本では,北海道および本州の東北地方から,中部の日本アルプス地方を経て加賀白山にかけての山岳地帯に分布しているが,本州産のものを独立種とする見解もある。北海道ではおもに低山地に見られ,北部では海岸近くの低地にまで降りているが,本州では山塊ごとに孤立した分布をしていて,本州だけで15亜種に分けられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ベニヒカゲ
べにひかげ / 紅日陰蝶
[学]Erebia niphonica

昆虫綱鱗翅(りんし)目ジャノメチョウ科に属するチョウ。北海道、本州に産し、北海道では低山地にも産するが、本州では中部地方以北の高山地に産し、高山チョウの一種として知られている。国外の分布は不明の点が多いが、少なくとも朝鮮半島に産するものは日本産と同一種と思われる。はねの開張47ミリ内外。前翅に橙赤斑(とうせきはん)のあるのがその特徴で、この特徴をもつものは日本ではほかにクモマベニヒカゲ(高山チョウ)の一種があるのみ。年1回の発生で、7、8月に出現し、高地草原の草花に集まる。幼虫の食草は、おもにカヤツリグサ科のスゲ類で、イネ科の雑草も食べる。幼虫の状態で冬を越す。[白水 隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のベニヒカゲの言及

【高山蝶】より

…英語でAlpineといえば,タカネヒカゲ類のことを指す。 本州の高山チョウは,クモマツマキチョウ(イラスト),ミヤマシロチョウ,ミヤマモンキチョウ,オオイチモンジ,コヒオドシ,タカネキマダラセセリ,ベニヒカゲ,クモマベニヒカゲ,タカネヒカゲ(イラスト)の9種とされる。ミヤマシロチョウ,ベニヒカゲ,タカネヒカゲを除く残り6種はヨーロッパまで分布しているもので,日本では遺存種と見なしうるものである。…

※「ベニヒカゲ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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