デジタル大辞泉
「ベルカント」の意味・読み・例文・類語
ベル‐カント(〈イタリア〉bel canto)
《美しい歌の意》イタリアで18世紀に成立した歌唱法。滑らかで柔らかな声の響きを強調するもの。
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ベル‐カント
- 〘 名詞 〙 ( [イタリア語] bel canto 美しい歌の意 ) イタリアで一七~一八世紀に確立された歌唱法の一つ。声の美しさ、やわらかでなめらかな節回しなどを強調する歌い方。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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ベル・カント
bel canto[イタリア]
〈美しい歌〉の意。1600年ころカッチーニやペーリが提唱した装飾的な独唱曲から発展したイタリア歌唱法に対する19世紀の呼称で,声の柔軟性,均一性,美しい響きを重要視したもの。とくにイタリア・オペラのアリアはベル・カントを駆使したものである。古典派のベル・カント唱法としてイタリアの歌手トージPier Francesco Tosi(1653ころ-1732)は,呼吸法,メッサ・ディ・ボーチェ(声をのばして歌いながら弱い声からしだいに強くし,やがて弱めていく唱法),レガート,装飾法,即興法などの習得を要求しているが,グルックのオペラ改革とともにすたれた。
執筆者:井形 ちづる
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ベルカント
べるかんと
bel canto イタリア語
西洋音楽の歌唱法の一つ。「美しい歌」を意味するイタリア語から派生し、美しく歌い上げることを目的とする。その唱法は、劇的な表現よりもむしろ美しい声や華麗な技巧を強調し、18世紀から19世紀前半にかけてのイタリア・オペラ(たとえばベッリーニやロッシーニのオペラなど)で広く愛好された。さらに、同時代のイタリアの歌曲やイタリア様式で作曲されたモーツァルトのいくつかのオペラなども、通常この唱法で歌われる。しかし、19世紀の後半には、オペラのオーケストラ伴奏が大規模になり、題材も劇的なものが取り上げられるようになったため、ベルカント唱法は重厚な劇的歌唱法にとってかわられた。
[黒坂俊昭]
『コーネリアス・L・リード著、渡部東吾訳『ベルカント唱法――その原理と実践』(1986・音楽之友社)』
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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ベル・カント
イタリア語で〈美しい歌〉の意味。18世紀イタリアで発達した発声技法。声をはなやかに外に向けて出す。洋楽発声の基本の一つで,イタリア・オペラやモーツァルトのオペラには欠かせない。
→関連項目カルーゾー|ドニゼッティ
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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ベルカント
bel canto
音楽用語。「美しい声 (歌) 」の意。母音性豊かなイタリア語の歌唱から生れた最も美しく自然な発声法であり,17~18世紀にイタリアで成立したが,現在もイタリア式の発声の基本とされている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のベルカントの言及
【ソプラノ】より
…そして役柄,声質,唱法に応じてコロラトゥーラcoloratura(主役級が華麗な高音域の旋律を技巧をこらして歌うもの),リリコlirico(抒情的な声で可憐な娘役),ドラマティコdramatico(力強く劇的な性格表現),スブレットsoubrette(艶のある声で気転の利く侍女役)などに分類されるようになる。さらにドニゼッティ,ベリーニなどのイタリア・ロマン派オペラ独得の唱法,[ベル・カント]は,プリマ・ドンナたるソプラノの声の美しさと技巧を極限にまでおし進めた。 一方,18世紀中葉以降に深みのあるソプラノとして分立した声種メゾ・ソプラノmezzo sopranoは,およそイから2点トにわたる。…
※「ベルカント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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