ベンチュリ管(読み)ベンチュリかん(その他表記)Venturi tube

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベンチュリ管」の意味・わかりやすい解説

ベンチュリ管
ベンチュリかん
Venturi tube

流れの速さをはかる計器の1種で,くびれをつけた管を用いる。図のような管の入口付近の断面 A と最もくびれた断面 B とを考え,A ,B における流速q1q2流体圧力p1p2 ,管の断面積S1S2 とすれば,ベルヌーイの定理から,p1+ρq12/2=p2+ρq22/2 ( ρ は流体の密度) となる。一方,断面 A ,B を通る流体の質量は等しいから,q1S1q2S2 。この2つの式から q2 を消去すれば,q1 は次の式で与えられる。
断面積の比 S1/S2既知であるから,U字管液面の高さの差をはかって圧力差 p1p2 を求めれば,前式から流速 q1 が得られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ベンチュリ管」の意味・わかりやすい解説

ベンチュリ管 (ベンチュリかん)
Venturi tube

管内を流れる流体の流量を測定するのに用いられる計器。図に示したように管の途中を細くし再び徐々に拡大させた形状をしている。最初イタリアのベントゥーリG.B.Venturiにより考案されたことからこの名があるが,流量測定計器として実用化したのはアメリカのC.ハーシェルである(1887ころ)。管の径に等しい断面積A1のところの圧力p1と,細い部分(面積A2)の圧力p2の差を測定すると,ベルヌーイの定理から次式で流量Q求まる

ただし,ここでρは流体の密度,C流量係数と呼ばれる補正係数で通常はほとんど1に近いと考えてよい。ベンチュリ管の断面積は急に狭めてもよいが,広がり部は損失が大きくなるので角度を小さくする(約6度)。オリフィスノズルに比較して損失が小さいという特徴をもっており,上水道などの大流量を測定するときによく用いられる。
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化学辞典 第2版 「ベンチュリ管」の解説

ベンチュリ管
ベンチュリカン
Venturi tube

図のようなしぼりを有する管で,左方より流体を流すと,圧力は断面がしぼられるに従って減少し,最小断面でもっとも低く,断面が広がるに従ってほぼはじめの値にまで回復する.この管をベンチュリ管とよび,管の壁に孔をあけて,圧力差 plpm を測れば,平均流速 ul を求めることができる(ベンチュリ流量計).また,最小断面で低圧になる性質を利用して,ジェットポンプ(エジェクター),スクラッバーなどに利用されている.

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百科事典マイペディア 「ベンチュリ管」の意味・わかりやすい解説

ベンチュリ管【ベンチュリかん】

管の中を流れる流体の流量を測定するために挿入する,中ほどがくびれた管。くびれの部分は流速が速まり,ベルヌーイの定理により入口部分より圧力が減るので,この圧力差(流量はその平方根比例)を測って流量を求める。上水道などの大流量を測定する際に用いられる。イタリアのG.B.ベントゥーリ〔1746-1822〕が考案し,米国のC.ハーシェルが1887年ごろ実用化した。
→関連項目流量計

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