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ペカン Carya illinoensis; pecan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ペカン
Carya illinoensis; pecan

クルミ科の落葉高木で,北アメリカ南部の暖地の原産。日本への渡来は大正年間であるが,最近になって盛んに栽培されはじめた。高さ約 50mに達する。雌雄異株で,クルミ属と似ているが,雄花序が三叉して垂下することや果実が裂開することで区別される。秋に果実が熟して割れ,中の核が落ちはじめたら収穫し,外果皮を除去して乾燥させる。核皮はクルミより割れやすい。種子は 70%の脂肪分を含み,ナッツとして北アメリカで好まれており,最近は日本にも多く輸入されている。繁殖には種子のほかに根挿しや接木 (つぎき) をする。この属の植物の材はヒッコリー hickoryと呼ばれ,スキー用材として賞用される。

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百科事典マイペディアの解説

ペカン

北米南部原産のクルミ科の落葉高木。温暖多雨の地に適し,高さ数十mに達する巨木となる。葉は羽状複葉。果実はクルミに似た殻果で長さ3〜5cm,長楕円体で表面は平滑,果肉は脂肪に富み食用とされる。雌雄同株だが開花期がずれるので混植が必要。
→関連項目ヒッコリー

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世界大百科事典 第2版の解説

ペカン【pecan】

クルミ科カリア属の高木性落葉果樹(イラスト)。園芸上は堅果類に属する。北アメリカ南東部の原産。北アメリカの温暖地で栽培され,アメリカでは堅果類生産上,もっとも重要な位置を占めている。ヨーロッパへは1776年に紹介されたが,イギリスでは寒すぎて生育できない。日本へは大正末期にアメリカから導入されたが,現在でも果樹園としての集団栽培はみられない。高さ30mをこえる高木になり,互生する葉は奇数羽状複葉で7~11対の小葉を有する。

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大辞林 第三版の解説

ペカン【pecan】

クルミ科の落葉高木。北アメリカ中南部原産。殻の中に入っている実は脂肪分に富み、食用油の原料、菓子の材料、酒のつまみなどにする。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ペカン
ぺかん
pecan
[学]Carya pecan Engl. et Graebn.

クルミ科カリア属の落葉高木。メキシコ北部からアメリカ合衆国中央南部原産。樹高60メートルに達するが、栽培下では15メートル程度に整枝する。葉は羽状複葉で、小葉は11~17枚の奇数からなり、若葉には毛が多い。芽は毛深く、黄色。雌雄同株。雄花は紐(ひも)状の花穂をつくり、前年枝の先端近くにつき、雌花は前年枝の発育中位の枝の先端近くにつく。5月ころに開花し、雄花先熟で、一般には他家受精が行われる。このため、栽培にあたっては受粉に好都合な開花期を示す他品種を混植するとよい。殻果は長楕円(ちょうだえん)形で、長さ約4センチメートル。核は比較的柔らかく、長さ約4センチメートルで先端がとがり、表面は褐色で滑らかである。内には、薄い種皮に包まれ肥厚した白色の子葉があり、食用とされる。栽培は1840年代に始まり、主要品種は野生種から選抜されたものが多く、センテニアル種によって接木(つぎき)繁殖が始まったのが1846年である。繁殖は共台(ともだい)または同属近縁種を台木とした接木による。植え付けは樹間12メートル以上とする。植え付け後6~10年で結実をみる。
 ペカンは脂肪70.7%、タンパク質2.1%、炭水化物8.5%で、100グラム当り728カロリーを示し、ナッツとして生食されるか、菓子や食用油の原料とする。
 ペカンの近縁種には中国原産のカリア・カルサエンシスC. carthayensis Sargnt、北アメリカ原産のシャグバークshagbark hickory/C. ovata (Mill.) K. Koch、シェルバークbig shellbark hickory/C. laciniosa (Michx. f.) Loud.などのほか十数種が知られ、ペカンとともに一般にヒッコリーとよばれ、柔軟性のある良質の材は家具、スキーその他に広く利用される。[飯塚宗夫]

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世界大百科事典内のペカンの言及

【ヒッコリー】より

…種子は甘く,脂肪に富み,ナッツとして市販される。同属のペカンは核の殻が薄く,種子も大きく,より重要なナッツである。 カリア属Carya(英名hickory)は北アメリカ大陸に約20種が産するほか,中国に1種が隔離分布する。…

※「ペカン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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