ハンガリー南部、特別行政区の指定都市。バラニャ県の県都をも兼ねる。人口16万2498(2001)。同国南部の文化、工業、経済の中心地。古代ローマ帝国の領有時代は、クインク・エクレジエQuinqu Écclesiae(「五つの教会」の意)とよばれ、9世紀にはこれを翻訳したドイツ語の呼称フュンフキルヘンFünfkirchenの名で知られるようになった。ハンガリー最初の大学として1367年に設立(1922再開校)されたペーチ大学は、ヨーロッパでも有数の古い歴史を誇る。おもな産業は、たばこ、酪製品、醸造、農業機械などの加工および製造のほか、石炭化学工業がある。北方のメチェック山麓(さんろく)のコムロ炭田は良質の石炭を産し、これをペーチでコークスにしてドゥノウイバーロシュの製鉄所に送っている。また、彩色豊かな陶器が伝統工芸品として知られる。
[古藤田一雄]
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…地下資源は褐炭,クロムなど。中心地はペーチPeć(人口9万)で,中世セルビアの総主教座が置かれた修道院ペーチカ・パトリアルシア(13~14世紀)がある。ジャコビツァ(人口7万)近くにはデチャーニ修道院(14世紀)が建つ。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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