ホエア(読み)ほえあ(英語表記)sentry palm

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ホエア
ほえあ
sentry palm
[学]Howeia

ヤシ科アレカ亜科ホエア属の総称。オーストラリアのロード・ハウ島原産。かつてケンチャヤシKentiaとされていたが、1870年以後はホエア属として独立した。幹は単一で高さ8~15メートル、径15~25センチメートル。幹肌は滑らかで長期間緑色を保ち、波状の浅い葉痕(ようこん)が残る。羽状葉は濃緑色で光沢があり、小葉は披針(ひしん)形。雌雄同株で、単性花をつける。肉穂花序は鞭(むち)状で、湾曲して垂れ下がり、全周にある壺(つぼ)状の穴に1個の雌花と2個の雄花が1組になって着生する。雄花は雌花より大きく1.1~1.2センチメートルで革質をなし、花冠裂片は倒卵形。雄しべは多数で30~70本以上あり、柱頭は3裂する。果実は開花後4年で成熟し、完熟すると暗赤色になる。
 栽培は、無霜地帯では露地栽培が可能で、零下2℃以上を要する。熱帯では生育せず、年間で7℃以下の暖冬期が必要である。繁殖は実生(みしょう)によるが、実生には完熟前の種子が適し、完熟したものは発芽しにくい。
 本属は、ベルモア・ホエアH. belmoreana Becc. (=Kentia belmoreana C. Moore)と、フォスター・ホエアH. forsteriana Becc. (=K. forsteriana C. Moore et Mueller)の2種のみからなるが、原産地ではフォスター・ホエアが大部分で、ベルモア・ホエアはきわめて少ない。両種間の交雑はない。2種の特徴は以下のとおりである。胚(はい)は両種とも底部にある。
 ベルモア・ホエアは、幹は単一で高さ8~10メートル、径15~18センチメートル。羽状葉は長さ2メートル、小葉は葉軸から上方に向かってV字状につき、幅3センチメートル。肉穂花序は幹の環節部から1本だけ湾曲して垂下し、周面に多数の花をつける。果実はとっくり状で先はとがり、長さ4センチメートル、径1.4センチメートル。種子は楕円(だえん)形、長さ2.3ミリメートル、径9.2ミリメートル。フォスター・ホエアは、幹は単一で高さ10~15メートル、径20~25センチメートル。羽状葉は長さ3メートル、小葉は葉軸の中央から平面的に発生し、両側下方に湾曲し、幅3~4センチメートル。肉穂花序は幹の環節部から数本が並んで着生し、全周に花をつける。果実、種子ともベルモア・ホエアより小さく、果実は長さ3.5センチメートル、径1.2センチメートル、種子は長さ2センチメートル、径0.8センチメートル。[佐竹利彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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