ボサノバ(読み)ぼさのば(英語表記)bossa-nova ポルトガル語

デジタル大辞泉 「ボサノバ」の意味・読み・例文・類語

ボサ‐ノバ(〈ポルトガル〉bossa nova)

《新しい感覚の意》1950年代にブラジルで起こったポピュラー音楽サンバジャズ影響を受けてできたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「ボサノバ」の意味・読み・例文・類語

ボサ‐ノバ

  1. 〘 名詞 〙 ( [ポルトガル語] bossa nova 新しい感覚の意 ) ブラジルのポピュラー音楽のジャンル。また、そのリズム。一九五〇年代後半に発生。都会的で洗練されたサウンド特徴

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボサノバ」の意味・わかりやすい解説

ボサ・ノバ
ぼさのば
bossa-nova ポルトガル語

1950年代末期に、ブラジルの都会風サンバからジャズやロックの影響を受けて派生した白人向けのポピュラー音楽。ボサ・ノバということばは、歌手・ギター奏者ジョアン・ジルベルトの演奏様式に対して、作曲家・ピアノ奏者・編曲家のアントニオ・カルロス・ジョビンが命名したもので、「新しい感覚」を意味する。サンバに対するボサ・ノバの革新性は、(1)サンバ独自の打楽器アンサンブルをドラム・セットに置き換え、サンバのリズムに基づきながらも黒人色を極力排除したリズム、(2)ブラジルの具象詩と類似点をもつような歌詞、にもっとも顕著に現れている。またボサ・ノバでは旋律、和声、リズムは混然一体となっており、伴奏楽器の主力であるギターは、和音をリズム的に打ち鳴らすように奏される。唱法の特徴としては、伝統歌謡の唱法を取り入れて、鼻声抑揚をつけずにほとんど話すような口調で歌うことがあげられる。このようなギター奏法と唱法のくふうは、ジョアン・ジルベルトに負うところが大きい。

[由比邦子]

『エレーナ・ジョビン著、国安真奈訳『アントニオ・カルロス・ジョビン――ボサノヴァを創った男』(1998・青土社)』『ルイ・カストロ著、国安真奈訳『ボサノヴァの歴史』(2001・音楽之友社)』

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改訂新版 世界大百科事典 「ボサノバ」の意味・わかりやすい解説

ボサノバ
bossa nova

1958年ころにブラジルで生まれたサンバの新しい形態。作曲家でピアニストのアントニオ・カルロス・ジョビンAntônio Carlos Jobim(1927-94),歌手でギタリストのジョアン・ジルベルトJoão Gilberto(1931- )らが生みの親で,それまでの野性熱狂を特徴とするサンバとは対照的に,ウェスト・コースト・ジャズの影響をうけた知的で落ち着いた感覚と新しいハーモニーをもっていた。初期の代表的な曲目は《ジザフィナードDesafinado》《ワン・ノート・サンバSamba de Uma Nota Só》(ともにジョビン作)などだったが,1963年に《イパネーマの娘Garôta de Ipanema》(同じくジョビン作)がアメリカでヒットして以来,ボサノバは商業化され,ソフトタッチのムード・ジャズといった受け止められ方で世界に広まっていった。
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百科事典マイペディア 「ボサノバ」の意味・わかりやすい解説

ボサノバ

20世紀半ばブラジルで生まれた,サンバの新しい形態。ウェスト・コースト・ジャズの影響を受け,知的で落ち着いた感覚と新しいハーモニーをもつ。リオ・デ・ジャネイロ南部に住む裕福な白人たちが作り出した。1963年にジョビン作曲の《イパネマの娘》が米国でヒットして以来商業化され,世界に広まった。bossa novaは〈新しい傾向〉の意。
→関連項目ジルベルトルルーシュ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボサノバ」の意味・わかりやすい解説

ボサ・ノバ
bossa nova

1950年代末のブラジルに興った新しい音楽。作曲家 A.C.ジョビンと歌手・ギター奏者である J.ジルベルトによって,民俗音楽のサンバのリズムにモダン・ジャズの要素を取入れて作られたもの。 1962年にジャズ・テナーサックス奏者 S.ゲッツがアメリカへ紹介し,新しいダンスのステップとともに急激に世界に広まった。

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