翻訳|bossa nova
1958年ころにブラジルで生まれたサンバの新しい形態。作曲家でピアニストのアントニオ・カルロス・ジョビンAntônio Carlos Jobim(1927-94),歌手でギタリストのジョアン・ジルベルトJoão Gilberto(1931- )らが生みの親で,それまでの野性と熱狂を特徴とするサンバとは対照的に,ウェスト・コースト・ジャズの影響をうけた知的で落ち着いた感覚と新しいハーモニーをもっていた。初期の代表的な曲目は《ジザフィナードDesafinado》《ワン・ノート・サンバSamba de Uma Nota Só》(ともにジョビン作)などだったが,1963年に《イパネーマの娘Garôta de Ipanema》(同じくジョビン作)がアメリカでヒットして以来,ボサノバは商業化され,ソフトタッチのムード・ジャズといった受け止められ方で世界に広まっていった。
執筆者:中村 とうよう
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