日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボールトン(イギリス)」の意味・わかりやすい解説
ボールトン(イギリス)
ぼーるとん
Bolton
イギリス、イングランド北西部、グレーター・マンチェスター大都市県の工業都市。人口26万1035(2001)。ペニン山脈の西麓(せいろく)に位置するランカシャー地方の代表的な綿工業都市であるが、第二次世界大戦後は綿工業の衰退に伴い、機械、化学などの工業の比重が相対的に高まった。産業革命初期の二大発明家、アークライトは当地で開業して水力紡績機を発明(1768)し、クロンプトンは当地で生まれてミュール紡績機を考案(1779)した。彼らの独創力に加えて豊富な軟水と石炭が得られ、マンチェスターとの間の運河開通(1791)も伴って、中世以来の毛織物産地が近代的な綿工業都市に脱皮した。繊維博物館があり、2人の紡績機が保存されている。
[久保田武]