ポアズ(その他表記)poise

翻訳|poise

デジタル大辞泉 「ポアズ」の意味・読み・例文・類語

ポアズ(poise)

CGS単位系粘度単位。1ポアズは1ダイン秒毎平方センチメートル。名称フランス物理学者ポアズイユ(J.L.Poiseuille)にちなむ。記号P

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ポアズ」の意味・読み・例文・類語

ポアズ

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] poise 粘性流体研究を行なったフランスの物理学者ポアズイユにちなむ ) 粘度(粘性率)を示す単位の一つ。センチポアズの一〇〇倍に等しい。記号P

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ポアズ」の意味・わかりやすい解説

ポアズ
poise

粘度(粘性率)の単位で,記号はP。1P=0.1Pa・s。CGS単位であるので国際単位系(SI)の単位と併用しない方がよい。粘性のある流体を管などに流す場合,管壁から中心に近づくほど流速は速くなり,隣り合う流れの間には速度差が生じ,お互いに引きずろうとする力が働いている。その単位面積当りの力,すなわちずり応力は流体の速度を流れに垂直な方向の単位距離で除した値である速度こう配に比例している。このときの比例係数を粘性率と呼んでいる。したがってCGS単位ではずり応力の単位はdyn・cm⁻2,速度こう配の単位はs⁻1であるので1P=1dyn・cm⁻2・sとなる。名はフランスの医師で物理学者のポアズイユJ.L.M.Poiseuille(1799-1869)にちなんでつけられた。センチポアズ(cP),ミリポアズ(mP)もよく使われる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポアズ」の意味・わかりやすい解説

ポアズ
ぽあず
poise

CGS単位系の粘度の単位。記号はP。グラム毎センチメートル毎秒と表記される。非SI単位であるが、日本の計量法では例外的に法定計量単位として定められている。自由に流れている液体の粘度の場合はセンチポアズが実用的であるが、非SI単位に属す。たとえばアセトンは20℃で0.324センチポアズの粘度をもつ。気体の粘度はしばしばマイクロポアズで表される。空気は20℃で181マイクロポアズである。名称は、フランスの医師・物理学者のポアズイユJean L. M. Poiseuille(1799―1869)にちなむ。

[小泉袈裟勝・今井秀孝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「ポアズ」の解説

ポアズ
ポアズ
poise

流体の粘度の単位.記号 P.流体が管中を層流をなして流れ,その流れの方向に垂直な方向における流速の勾配が1 cm s-1 cm-1 であるとする.この速度勾配を維持するために流れの方向にそった面積1 cm2 当たりに作用する力が1 dyn のとき,この流体の粘度を1 P という.

1 P = 1 dyn s cm-210-1 kg m-1 s-1
= 10-1 N s m-1 = 10-1 Pa s.
ポアズの100分の1を cP(センチポアズ),1000分の1を mP(ミリポアズ)という.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポアズ」の意味・わかりやすい解説

ポアズ
poise

粘性率の CGS単位。記号はP。 1Pは流体内 1cmにつき1 cm/s の速度勾配があるとき,その速度勾配の方向に垂直な面に,速度の方向 1cm2につき 1dynの力が生じる粘度。実用上,液体の場合にはセンチポアズ,気体の場合にはマイクロポアズが用いられる。また工学では粘性率の単位として kgw・s/m2 が慣用され,1kgw・s/m2 は 98.07Pである。単位名は J.L.M.ポアズイユ (1799~1869) の名にちなむ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

単位名がわかる辞典 「ポアズ」の解説

ポアズ【poise】

粘度のCGS単位。記号は「P」。1Pは管中の流体内に、1cmにつき毎秒1cmの速度勾配(こうばい)があるとき、その速度勾配の方向に垂直な面で、速度の方向に1cm2あたり1ダイン(dyn)の応力が生じる粘度の大きさ(1P=1dyn・s/cm2)。SI単位系との関係では、1Pが10分の1パスカル秒に等しい。20℃の水の粘度は、1.002×10-2Pである。◇名称は、フランスの物理学者・医師ポアズイユにちなむ。

出典 講談社単位名がわかる辞典について 情報

百科事典マイペディア 「ポアズ」の意味・わかりやすい解説

ポアズ

粘性率のCGS単位。記号P。流体内に1cmにつき1cm毎秒の速度勾配(こうばい)があるとき,その速度勾配の方向に垂直な面において速度の方向に1cm2につき1ダインの応力を生じるときの粘性率。1ポアズ=1g/(cm・秒)=1/10(ニュートン・秒)/m2。ポアズイユにちなむ。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

栄養・生化学辞典 「ポアズ」の解説

ポアズ

 cgs単位で,粘度を表すもの.1P=g/cm・sec.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のポアズの言及

【ストークス】より

…CGS単位であるので,国際単位系(SI)の単位と併用しないほうがよい。動粘度は流体の粘度を密度で除したものであるから,粘度のCGS単位ポアズ(P=g・cm-1・s-1)と密度のCGS単位であるグラム毎立方センチメートル(g・cm-3)とから,1St=1P/(g・cm-3)=1cm2/sのように得られる。名はイギリスの物理学者G.G.ストークスの名にちなんでつけられた。…

※「ポアズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android