基本単位として長さにセンチメートル(cm)、質量にグラム(g)、時間に秒(s)をとった単位系。温度が加わる場合には摂氏温度(セルシウス温度)℃が用いられる。1881年に国際的に決められ、物理学の分野で長く使用されてきた。しかし、実用的には単位が小さすぎ、電気の実用単位との関係も複雑になるため、MKS単位系や絶対アンペアを基本単位に加えたMKSA単位系を用いることが多い。さらに、1960年の国際単位系(SI)の制定により、基本的にSIが用いられるようになった。
[小泉袈裟勝・今井秀孝]
CGS単位系に、静電気に関するクーロンの法則を利用して定めた電気量の単位を基本単位として加えた単位系。C.G.S.esuとも記し、esuはelectrostatic unit(静電単位)の略。二つの電荷の間に働くクーロンの力の表現において、媒質の誘電率に次元をもたせないようにして電気量の単位を定義している。
[小泉袈裟勝]
CGS単位系に、磁気に関するクーロンの法則を利用して定めた電磁気量の単位を加えた単位系。C.G.S.emuとも記し、emuはelectromagnetic unit(電磁単位)の略。二つの磁荷の間に働くクーロンの力で、媒質の誘磁率に次元がない、つまり磁荷が電荷と同じ次元をもつと定義している。
[小泉袈裟勝]
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メートル法に属する単位系の一種。基本量として長さ,質量および時間を選び,それぞれに対応する基本単位としてセンチメートル,グラムおよび秒(記号は順次にcm,gおよびs)を選んで,これらの組合せにより他のさまざまな量の単位を構成していく単位系である。面積の平方センチメートル(cm2),速さのセンチメートル毎秒(cm/s),密度のグラム毎立方センチメートル(g/cm3)などのほか,特別の名称を与えられた単位,例えば力のダイン(dyn),仕事・エネルギーのエルグ(erg),粘度のポアズ(P),磁束密度のガウス(Gs,またはG),磁束のマクスウェル(Mx)が,この単位系に含まれる。物理学などで広く用いられていたが,現今の国際単位系には属さない単位系であり,上述の特別の名称を与えられた単位を,国際単位系の単位と併用するのは望ましくないとされている。
執筆者:高田 誠二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(今井秀孝 独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問 / 2008年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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[沿革]
メートル法は日常の度量衡単位として制定された単位系であるが,1832年に地磁気の測定に応用されて以来,89年の国際度量衡局による標準供給の開始とあいまって,その合理性から広く科学,技術に普及し,同時に適用領域ごとにつごうのよい単位が作られ,さまざまな単位系に分化していくが,19世紀に盛んになった電磁気の分野でも新しく単位や標準を作る必要があった。その要求にこたえて作られたのがCGS単位系である。この単位系は三元系であるため力学領域にはつごうがよいが,電磁気量に対しては静電単位系や電磁単位系などの別が生じ,しかも単位の大きさが実用的ではない。…
… 次に,長さ,質量,時間のそれぞれに対してどのような単位をあてはめるかが問題になる。メートル法の範囲でも,かつては,センチメートル(cm),グラム(g),秒(s)をあてはめた単位系(CGS単位系)が便利とされていたが,20世紀に入ってから,電磁気諸量の単位のこととも関連して,メートル(m),キログラム(kg),秒(s)をあてはめた単位系(MKS単位系)のほうがいっそう便利と認められることになった。 一方,19世紀後半以後の科学技術,とりわけ熱,光,電磁気,物性にかかわる諸学術の進歩は,単位系の議論にもさまざまなインパクトを与えた。…
※「CGS単位系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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