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マイナス金利 まいなすきんり

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知恵蔵2015の解説

マイナス金利

金利がマイナスになること。通常は預金・貸し金の利子あるいは利息である金利(名目金利ということもある)がマイナスになることはないが、超低金利時には短期金利が極めてまれに瞬間的にマイナスになることもある。名目金利から物価上昇分を引いた実質金利では、インフレが高進する時にはしばしば起こりうる。逆に、物価が下落(デフレ)している場合は、ゼロ金利であっても実質金利はプラスになる。「ゼロ金利政策がとられていた日本だが、デフレのため実質金利は高い。高実質金利は企業の経済活動に多大な影響を及ぼし、ひいては日本経済回復の遅れにつながる。経済回復には実質金利を下げる対策が望まれ、それにはある程度の物価上昇が必要」というのが、インフレ・ターゲット論者の根拠の1つになっている。

(本庄真 大和総研監査役 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

マイナス金利

金融機関が日本銀行に持つ当座預金のうち、任意で預けている額について、マイナスの金利をつける政策。手数料を取られる形になる金融機関は、日銀に預けていたお金を企業や個人への貸し出しに回すことが期待され、結果として経済の活性化につながる可能性がある。日銀は今回、この当座預金口座の金利全体をマイナスにするのではなく、0・1%、0%、マイナス0・1%と3段階に分け、金融機関の収益が大きく悪化しないよう配慮した。

(2016-01-29 朝日新聞 夕刊 1総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マイナス金利
まいなすきんり

金利がマイナスになった状況をさす経済用語。一般的には、お金の借り手が貸し手に利子を支払うのが普通であるが、逆に、貸し手が借り手に利子を支払う状態を意味する。通常の経済状態でマイナス金利が発生することはないが、超低金利下や金融危機時などに、信用力のある通貨・債券・金融商品などの取引でマイナス金利が発生することがある。理論的には、投資家はマイナス金利の取引をするより、資金を貸さずに現金で保有したほうが有利であるため、マイナス金利はおこりえない。しかし、大量の現金保有は保管・輸送コストがかかるほか安全面に問題があるため、利子を払ってでも、すぐに換金できる安全資産にしたほうが得だと判断する場合があり、この結果、実際にはマイナス金利が発生することがある。
 2000年代前半に深刻なデフレに陥った日本では、短期資金を貸し借りする短期金融市場でマイナス金利が生じたほか、リーマン・ショック時のアメリカや、ヨーロッパ債務危機に見舞われたドイツなどの国債取引でマイナス金利が発生した。
 また、投資や消費を活発にするため、民間銀行が中央銀行に余剰資金を預けた場合、民間銀行に手数料の支払いを求める政策をマイナス金利政策とよぶ。これまでスイス(1970年代)、スウェーデン(2009年)、デンマーク(2012年)で導入されたことがあり、2014年6月には主要国・地域として初めてヨーロッパ中央銀行(ECB)がマイナス金利政策を導入した。
 2003年(平成15)1月、日本の短期金融市場において、外国銀行間で初めてマイナス金利の取引が成立した。当時、日本の銀行は世界的に信用度が低く、外国銀行からドルを調達するには高めの手数料を払う必要があった。このため外国銀行は短期金融市場で円資金を貸す場合、相手に利子を払っても儲(もう)けることができたことからマイナス金利が発生した。これは日本の民間銀行や金融システムへの不信の表れであった。リーマン・ショック時やヨーロッパ債務危機時には、信用力のあるドイツ国債やアメリカ国債に投資資金が集中し、国債の購入価格よりも満期時に受け取る額が低くなるマイナス金利の取引となった。投資による利益よりも、現金化しやすい国債のほうが安全であるとの思惑によるものである。その後、ヨーロッパでは安全資産とみなされたオランダ、スイス、フランス、オーストリア、フィンランド、デンマークなどの国債取引でもマイナス金利が発生した。2014年には債券と現金を一定期間交換する日本の債券貸借(レポ)取引で、マイナス金利が生じた。これは、日銀が量的・質的金融緩和(異次元緩和)によって日本国債を大量に買い入れているため日本国債の流通量が極端に不足し、国債を預けて資金を借りる側が金利を受け取ることになったためである。
 名目金利から物価上昇分を差し引いた実質金利が、インフレなどの物価高騰時に、名目金利を物価上昇率が上回ってマイナス金利になることもある。2010年以降、中国、韓国、タイ、インドネシアなどでは経済成長に伴って物価が上昇した半面、自国通貨高を回避するため名目金利を低めに抑える金利政策がとられたため、実質金利がマイナスに陥った。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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