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マイノング Meinong, Alexius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マイノング
Meinong, Alexius

[生]1853.7.17. レンベルク
[没]1920.11.27. グラーツ
オーストリアの哲学者,心理学者。対象論の創始者。 1882年グラーツ大学員外教授,89年同大教授。ブレンターノに学び,彼の哲学的記述心理学,特に「志向性」の理論の影響を受けて,対象論,すなわち存在,非存在にかかわりなく純粋対象の学としての対象論を提唱した。彼の対象論はフッサールシェーラー,N.ハルトマンらに影響を与えた。主著『仮定について』 Über Annahmen (1902) ,『対象論』 Über die Stellung der Gegenstandstheorie im System der Wissenschaften (07) ,『可能性と蓋然性』 Über Möglichkeit und Wahrscheinlichkeit (15) 。

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百科事典マイペディアの解説

マイノング

オーストリアの哲学者。グラーツ大学教授。ブレンターノに学び,フッサール,B.A.W.ラッセルらと交流しつつ,《仮定について》(1902年)や《諸学の体系内での対象論の位置について》(1907年)で独自の対象論を展開した。

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世界大百科事典 第2版の解説

マイノング【Alexius Meinong】

1853‐1920
オーストリアの哲学者。グラーツ大学教授。F.ブレンターノ学派に属し,独自の対象論を提唱した。著書には《仮定について》(1902)や《諸学の体系内での対象論の位置について》(1907)などがあり,B.A.W.ラッセルやフッサールとも交流があった。彼は,対象を把握する4クラスの体験に対応させて,対象も次の4クラスに分類した。すなわち表象体験の物的対象を〈客観〉,思考体験(判断および仮定)の対象(すなわち〈Aがあること〉および〈AがBであること〉)を〈客観的対象〉,感情体験の対象を〈品位的対象〉,そして希求体験の対象を〈願望的対象〉と呼び,それら諸対象の存在性格や相互関係を考察した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マイノング
まいのんぐ
Ritter von Handschuchsheim Alexius Meinong
(1853―1920)

オーストリアの哲学者。レムベルクに生まれる。ウィーンで初めは歴史を学び、のちに哲学に転じてドイツ・オーストリア学派の創始者ブレンターノに師事。1878年ヒュームに関する論文で教授資格をとり、1882年以後グラーツ大学で哲学を講じた。その哲学は対象論とよばれるもので、意識体験に現れるすべての対象を、それが存在するかしないかにかかわりなく、対象そのものとして考察することを主眼とする。マイノングはそこで表象作用と思考作用とを区別し、前者の対象を「客観」、後者の対象を「客観的なもの」とよぶが、この「客観的なもの」すなわち「かくある」Soseinが対象そのものの本質であって、対象論は主としてこの本質において成立する諸関係を考察する。彼のこの対象論は、フッサールの現象学にみられる本質学にも通ずるところがあり、またイギリスの新実在論者G・E・ムーアにも影響を与えた。[宇都宮芳明]

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