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マスタードガス mustard gas

翻訳|mustard gas

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

マスタードガス

化学兵器の一つで、致死性があり、国際法で禁止されている。第1次世界大戦中、ドイツ軍がベルギーのイーペルで初めて使用したことから「イペリット」とも呼ばれ、旧日本軍が中国戦線で使ったことも明らかになっている。イラン・イラク戦争(1980〜88)では、イラク軍がイラン側や自国のクルド人を攻撃するために使用。同時に使ったサリンガスなどとあわせ、イラン側だけで約5千人が死亡し、約4万5千人がいまも呼吸障害などの後遺症に苦しんでいるとされる。

(2006-08-23 朝日新聞 朝刊 広島1 2地方)

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百科事典マイペディアの解説

マスタードガス

イペリット

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大辞林 第三版の解説

マスタードガス【mustard gas】

塩化硫黄とエチレンから得られる無色・無臭の油状液体。化学式 (ClC2H42S 工業製品は芥子からし臭をもつ。多硫化系合成ゴムの原料。強烈な細胞毒であり、また突然変異を誘発する。気化すると強い糜爛びらん性毒ガスとなり、第一次大戦中、ベルギーのイペール(Ypres)の戦いでドイツ軍が使用したことから、イペリットともいう。サルファ-マスタード。ジクロロジエチルスルフィド。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マスタードガス
ますたーどがす

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のマスタードガスの言及

【イペリット】より

…第1次世界大戦中,ベルギーのイープルYpers付近でドイツ軍が初めて使用したことからこの名がある。また,セイヨウカラシ(マスタード)のにおいを有することからマスタードガスmustard gasともいう。融点14.45℃,沸点216.8℃の液体。…

【化学兵器】より

… 皮膚剤には,第1次大戦で使用されたイペリット(HD)などがある。イペリットはからし臭をもつためマスタードガスとも呼ばれ,粘膜や皮膚を糜爛(びらん)する物質であるが,上記の毒性表現法でいうと,1500mgの吸入で肺水腫を起こし死亡する。ホスゲン(塩化カルボニル)は第1次大戦で使用された窒息性の物質で,3200mgで呼吸器障害を起こし死亡するが,皮膚に触れても無害である。…

※「マスタードガス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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