フィリピン,ルソン島の南西に横たわる大きな島。面積9818km2はフィリピン群島中第7位。行政的には二つの州に分かれ,人口56万(1975)。島の中央部を北北西から南南東方向に急峻な脊梁山脈が走り,ハルコン山(2586m),バコ山(2489m)などの高い火山がそびえる。西海岸では雨が多く乾季と雨季の交替がみられるが,東海岸では明瞭な乾季がない。北東部に開ける沿岸平野にはタガログ地方からの,南西部の平野部にはビサヤ地方からの移住者が住みつき,内陸部はマンギャン族などが占拠する。南西岸のサン・ホセ町に1911年フィリピンで最初の分蜜糖工場が建てられた。島名はスペイン語で金鉱を意味するミナ・デ・オロに由来するといわれるが,現在ではそれらしき鉱山は見当たらない。
執筆者:梅原 弘光
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フィリピン中西部、ルソン島の南西に隣接する楕円(だえん)形状の島。面積9735平方キロメートル、人口約90万(1995)。中央を急峻(きゅうしゅん)な高山の連なる脊梁(せきりょう)山脈が走り島を東西に二分する。最高点はハルコン山(2585メートル)。一般に山地の東岸は年中多雨であるが、西岸は乾・雨両期の交替が明瞭(めいりょう)である。生物地理的には大陸系のスイギュウの一種ティラマウの生息地として知られる。山地にはプロトマレー系のマンギャン人が住むが、海岸にはタガログ系、ビサヤ系の移住者もみられる。開発が遅れ、密林が広く島を覆っており、人口密度も低い。東岸では米、ココヤシ、南岸ではサトウキビ栽培などが行われる。おもな都市はカラパン、サン・ホセなど。なお島名はスペイン語で「金鉱」を意味するミナ・デ・オロに由来するといわれるが、現在鉱物資源は見当たらない。
[別技篤彦]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…宋代,元代の中国の史書に記されたフィリピンのミンドロ島付近の名称。スペイン統治以前のフィリピン諸島に関する文献記録はきわめて少なく,その中でも最も古い記録は,中国人趙汝适が宋代の13世紀初めにまとめた《諸蕃志》に出てくる麻逸国の記述とみられている。…
※「ミンドロ島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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