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ムツゴロウ Boleophthalmus pectinirostris

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ムツゴロウ
Boleophthalmus pectinirostris

スズキ目ハゼ科の魚。食用。全長 20cm内外。暗緑色地色コバルト色斑点をもつ。体は側扁し,頭の背方に両眼が相接してついており,トビハゼを思わせる。第1背鰭の棘条は軟らかく,先端が糸状に伸びている。左右の腹鰭は吸盤を形づくっている。また胸鰭の筋肉はよく発達しており,自由に鰭を動かして歩行することができる。泥底の干潟にすみ,泥中に深い穴をつくり,危険が迫ると穴中に逃げ込む。長時間水から出て行動することができる。九州の有明海,朝鮮,中国,ミャンマーに分布する。

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百科事典マイペディアの解説

ムツゴロウ

ハゼ科の魚。地方名ムツ,コムツなど。全長20cm程度。水陸両生魚である。体色は青みがかった灰色で,第1背びれのとげは比較的長い。腹びれは左右合わさって吸盤を形成。
→関連項目肥前鹿島干潟

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ムツゴロウ
むつごろう / 五郎
bluespotted mud hopper
[学]Boleophthalmus pectinirostris

硬骨魚綱スズキ目ハゼ科に属する水陸両生魚。陸上生活に適応して、両眼は頭頂部に突出し、陸上で遠視がきく。皮膚は厚いが皮膚呼吸ができる。胸びれが発達し、それを用いて干潟の泥上をはい回る。体色は青みを帯び、淡色の小点が散在。全長23センチメートルに達する。日本、朝鮮半島、中国、台湾などに分布。日本では有明(ありあけ)海と八代(やつしろ)海の一部のみに産する。河口域の軟泥中に巣孔(すあな)をつくってすむ。干潮時に巣孔の入口付近の泥面に付着する藻類を上顎歯(じょうがくし)で剥(は)ぎ取って食べる。有明海での産卵期は5、6月で、巣孔の中に卵を産み付ける。仔魚(しぎょ)は河口域で1か月半ほど浮遊生活を送り、2センチメートル未満の若魚に成長したのち、単独で両生生活へ入る。春から秋に活動し、冬には巣孔の中で休止する。生後2年で成熟し、寿命は7、8年に及ぶ。有明海ではムツとよばれ、各種の漁具でとられて食用とされている。台湾では天然種苗を用いて養殖が行われている。[道津喜衛]

料理

肉は柔らかく、脂肪も比較的多い。代表的な料理は蒲(かば)焼きで、佐賀県の郷土料理の一つにもなっている。ムツゴロウは生きたまま蒲焼きにする。口から串(くし)を刺して素焼きにし、しょうゆ、みりん、酒、砂糖をあわせたたれを2、3回つけながら焼き上げる。焼きたてを食べるのが最高だが、土産(みやげ)物として蒲焼きの缶詰も売られている。このほか、刺身、みそ汁、鍋(なべ)物にも用いられ、乾燥したものはうどんなどのだしとしても使われる。[河野友美]

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