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メスアカムラサキ メスアカムラサキHypolimnas missippus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

メスアカムラサキ
Hypolimnas missippus

鱗翅目タテハチョウ科。雌雄で翅の模様が極端に異なる型のチョウの1種。前翅の開張幅は雄 65mm内外,雌 72mm内外。雄の前・後翅表面は,黒色地でそれぞれ中央に大きな白色斑紋が1個あり,その周辺部は紫色を帯びている。雌の翅はカバマダラによく似ており,大部分は明るい赤褐色で,前翅の先端部は黒色地に白色紋をもち,また外縁に沿って細い黒白の帯がある。多化性で,日本の産地である八重山諸島ではほとんど周年みられる。成虫は田畑や人家近くを飛び,ブッソウゲランタナなどに吸蜜に来る。幼虫の食草スベリヒユ。世界の熱帯,亜熱帯ニュージーランドなどに広く分布する。

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世界大百科事典 第2版の解説

メスアカムラサキ【Hypolimnas missippus】

鱗翅目タテハチョウ科の昆虫。中型のチョウで開張は6~7cm。雄は雌より小型,黒地卵形の大小3個(片側で)の白紋があり,前・後翅に青紫色に光る部分がある。雌は翅がやや横長で橙赤色,前翅端に黒色と白色の斑紋があり,マダラチョウ科のカバマダラに擬態しているので有名である。和名はこれらの特徴に基づく。翅の表面の差は雌雄が別種と見えるほど著しいが,裏面の差はそれほど大きくない。世界の熱帯,亜熱帯に広く分布する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

メスアカムラサキ
めすあかむらさき / 雌赤紫蝶
danaid eggfly
[学]Hypolimnas misippus

昆虫綱鱗翅(りんし)目タテハチョウ科に属するチョウ。アフリカ、東洋の熱帯から亜熱帯、北アメリカ南部から南アメリカに広く分布するが、アメリカ大陸にはアフリカから二次的に入ったものである。日本では琉球(りゅうきゅう)諸島には土着しているものと認められるが、夏より秋にかけて九州以北で発見される個体は南方からの飛来、あるいはそれに基づく一時的発生によるものである。九州以北の地域では冬季の低温により越冬できない。はねの開張は60~80ミリ程度。雄のはねの表は黒色、前・後ろばねともに、その中央に円形白斑(はくはん)があるが、雌は雄とまったく異なり、はねの地色は橙(だいだい)色、前ばね先端の黒色部を横切る白帯がある。日本産のチョウではメスグロヒョウモンとともに雌雄異形の代表的な例である。雌の色彩斑紋は有毒とされるマダラチョウ科のカバマダラにたいへんよく似ており、それを擬態したものとされる。琉球諸島あたりでは年間にわたってみられ、連続的に発生するものと思われるが、日本本土で発見されるのは夏から秋にかけてで、この時期には日本本土でもスベリヒユ(スベリヒユ科)を食草として一時的に発生する。琉球諸島、台湾で判明した食草はスベリヒユ、外国ではそのほかヒユ科の植物を食べる記録もある。[白水 隆]

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