モルドビア(読み)もるどびあ(その他表記)Мордовия/Mordoviya

デジタル大辞泉 「モルドビア」の意味・読み・例文・類語

モルドビア(Mordoviya)

ロシア連邦にある22の共和国の一。モスクワの南東約300キロメートルに位置する。首都サランスク基幹民族フィン‐ウゴル系のモルドビン人だが、ロシア化が進む。モルドバ
[補説]旧ソ連から独立したモルドバ(旧称モルダビア)と国名が似るので注意が必要。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モルドビア」の意味・わかりやすい解説

モルドビア
もるどびあ
Мордовия/Mordoviya

ロシア連邦に所属するモルドビン人の共和国。正称モルドビア共和国Республика Мордовия/Respublika Mordoviya。現地音にしたがってモルドバ共和国モルドバ人と記述されることもあるが、東ヨーロッパの独立国モルドバ共和国(首都キシナウ)と混同しやすいため、一般にはモルドビアと表記する。ロシア連邦の南西部にある。面積2万6200平方キロメートル、人口93万7000(1999)。首都サランスク。人口31万6600(1999)。

 国土大部分プリ(沿)ボルガ丘陵地帯の北西部に含まれ、モクシア川とスラ川の流域にある。大陸性気候で、平均気温は1月零下12~零下11℃、7月20℃、年降水量400~500ミリメートルである。国土の25%が森林で、北部混交林、南部が森林ステップ地帯に属している。

 ソ連成立後の1930年モルドビン人(フィン・ウゴル語派に含まれるモルドビン語を使用)の自治州となり、34年モルドフスカヤ(モルドバ)・ソビエト社会主義自治共和国Мордовская АССР/Mordovskaya ASSRに昇格した。1991年12月のソ連解体でロシア連邦に所属、92年3月、ロシア連邦条約調印、連邦国家ロシアを構成するモルドビア共和国となった。

 住民の多くはロシア人(60.8%)で、モルドビン人は32.5%である(1989)。ほかにタタール人(4.9%)などが住む。木材製紙、食品、機械、化学の諸工業と、農作物ライムギ小麦大麻(たいま)、テンサイ、ヒマワリ)栽培、牧羊、畜産が主要産業である。国土の北部に自然保護区が設けられ、ビーバーの保護に力が入れられている。

[中村泰三・小俣利男]

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百科事典マイペディア 「モルドビア」の意味・わかりやすい解説

モルドビア

ロシア連邦の一共和国で,ボルガ川中流域南側にあり,面積2万6200km2。主都サランスク。人口82万6500人(2010)中,モルドビン(モルドバ)人33%,ロシア人61%だが,モルドビン人は近隣のバシコルトスタンタタールスタンなどにも分散している。肥沃な黒土地帯のため古くから諸民族の抗争の場となり,17世紀にはロシア人人口が上回った。旧ソ連時代のモルドバ自治共和国(1934年成立)が1991年共和国を宣言,改称した。

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