モンテルラン(英語表記)Henry Millon de Montherlant

デジタル大辞泉 「モンテルラン」の意味・読み・例文・類語

モンテルラン(Henry Millon de Montherlant)

[1896~1972]フランス小説家劇作家価値観の崩壊した時代における苦悶・孤独を基調に、男性的行動称揚女性蔑視などの価値観を前面に出した作品注目を集めつつ、常に絶対性を追求した。ピストル自殺小説闘牛士」「若き娘たち」、戯曲ポール‐ロワイヤル」など。

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精選版 日本国語大辞典 「モンテルラン」の意味・読み・例文・類語

モンテルラン

  1. ( Henry Millon de Montherlant アンリ=ミヨン=ド━ ) フランスの小説家・劇作家。男性的な行動を謳歌した作品や女性の欠点を皮肉った小説で世人関心をひいた。小説「闘牛士」「若き娘たち」、戯曲「死せる女王」など。(一八九六‐一九七二

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改訂新版 世界大百科事典 「モンテルラン」の意味・わかりやすい解説

モンテルラン
Henry Millon de Montherlant
生没年:1896-1972

フランスの作家。第1次世界大戦の復員兵の世代に属し,小説《朝の交代》(1920)で文壇に登場,おのれの意志がすべてを支配する自由人の夢を追って《夢》(1922),《闘牛士》(1926)を著した。しかし時代の不安を逃れることができず,数年にわたってアフリカ各地を放浪したすえ,ペシミズムに彩られた倨傲な選民思想を身につけ,《独身者たち》(1934),四部作《若い娘たち》(1936),《女性への憐憫》(1936),《癩を病む女たち》(1936),《善の悪魔》(1937)を生み出し大きな反響を呼んだ。1942年《死せる女王》を発表して以来関心が劇作に赴き,《サンチアゴの聖騎士団長》(1947),《ポール・ロアイヤル》(1954)などで絶対を探究する孤高な人間の運命を描き,戦後の演劇の中心的存在となった。晩年小説に復帰し,《混沌と夜》(1963),《殺人者はわが主人》(1971)などを残し,失明の危険にさらされ自殺を遂げた。60年アカデミー・フランセーズ会員に推挙されている。
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百科事典マイペディア 「モンテルラン」の意味・わかりやすい解説

モンテルラン

フランスの作家。第1次大戦に従軍。戦後はスポーツに熱中,《オリンピック選手》(1924年)を発表。一時期北アフリカ,スペインを放浪。《闘牛士》(1926年)や,独身者的な自由のモラルを掲げた《若い娘たち》以下の4部作(1936年―1937年)で代表的行動主義作家となった。第2次大戦で対独協力を批判され,その後は戯曲に力を注いだ。《死せる王女》(1942年),《ポール・ロアイヤル》など。失明の危機に絶望し,ピストル自殺。
→関連項目行動文学

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