フランスの作家。第1次世界大戦の復員兵の世代に属し,小説《朝の交代》(1920)で文壇に登場,おのれの意志がすべてを支配する自由人の夢を追って《夢》(1922),《闘牛士》(1926)を著した。しかし時代の不安を逃れることができず,数年にわたってアフリカ各地を放浪したすえ,ペシミズムに彩られた倨傲な選民思想を身につけ,《独身者たち》(1934),四部作《若い娘たち》(1936),《女性への憐憫》(1936),《癩を病む女たち》(1936),《善の悪魔》(1937)を生み出し大きな反響を呼んだ。1942年《死せる女王》を発表して以来関心が劇作に赴き,《サンチアゴの聖騎士団長》(1947),《ポール・ロアイヤル》(1954)などで絶対を探究する孤高な人間の運命を描き,戦後の演劇の中心的存在となった。晩年小説に復帰し,《混沌と夜》(1963),《殺人者はわが主人》(1971)などを残し,失明の危険にさらされ自殺を遂げた。60年アカデミー・フランセーズ会員に推挙されている。
執筆者:渡辺 一民
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