ヤマヨモギ(読み)やまよもぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマヨモギ」の意味・わかりやすい解説

ヤマヨモギ
やまよもぎ / 山蓬
[学] Artemisia montana (Nakai) Pamp.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。オオヨモギ、エゾヨモギともいう。茎は叢生(そうせい)し、高さ1~2メートル。葉は長さ約20センチメートル、幅約12センチメートルと大きく、羽状に中裂または深裂する。裏面綿毛を密生して灰白色。8~9月、茎頂に大形の円錐(えんすい)花序をつくり、多数の頭花をつける。ヨモギ同様、薬用にされる。山地日当りのよい斜面に生え、近畿地方以北の本州、北海道、および樺太(からふと)(サハリン)に分布する。

[小山博滋 2022年5月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤマヨモギ」の意味・わかりやすい解説

ヤマヨモギ
Artemisia montana; wormwood

キク科の大型多年草で,オオヨモギともいう。アジア東部の温帯から寒帯にかけて分布する。日本では本州の近畿以北と北海道の山地に生える。茎は高さ 1.5~2mで太い。根茎は横にはい,枝を出す。葉は互生し大きく,茎の中部につくものでは長さ 18cm内外で深く羽状に裂け,下面に灰白色の綿毛がある。夏の終りから秋に,大型の円錐花序をつけ,多数の頭状花を密につける。頭花は小型で数個の黄色の管状花から成り,総包は緑色でちぢれた毛がある。ヨモギに似ているが,全体が大きく,葉の裂片が鋭くとがり,仮托葉がないことで区別できる。葉の裏面に生える綿毛から「もぐさ」をつくる。

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