改訂新版 世界大百科事典 「ヤムチャ」の意味・わかりやすい解説
ヤムチャ (飲茶)
yem ca
中国で,茶を飲み点心(てんじん)を食べることをいう。ヤムチャの発音は広東語であるが,この習慣は広東だけでなく北京,蘇州,杭州などにもある。点心としては包子(パオズ),ギョーザ,シューマイ,春巻,糕(米の餅),餅(焼餅など),めん(麵)類,飯類,米粉(ビーフン)などがある。甘いものは甜点,塩味のものは鹹点といい,種類は1000以上にも及ぶ。日本式のお茶うけにあたるものにラッカセイ,瓜子(スイカやカボチャの種),甘栗,干果物や蜜漬の果物などがあるが,これは小食という。点心は軽食であり,小食はおつまみといえる。飲茶の専門店は茶楼,茶居,茶室の三つに分けられるが,一般的には茶館と呼ぶ。茶楼は規模が大きく比較的高級であり,茶居,茶室は規模がやや小さく大衆向きである。日本でも近年,中国料理店とは別に中国茶や点心の普及と相まって飲茶の専門店があらわれている。
執筆者:林 彩美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報