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ユカギール

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百科事典マイペディアの解説

ユカギール

シベリア北東部,コリマ川上流地方とインディギルカ川流域の2ヵ所に分布する人びと。オドゥルと自称。もとはレナ川東部一帯に分布していたが,ツングース族ヤクート族の圧迫で現住地に移動し,不毛の寒地で漁猟を営み,人口は減少の一途をたどっている。
→関連項目サハ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ユカギール
ゆかぎーる
Юкагир Yukagir

シベリアの北極海沿岸に居住する民族。人口は1112(1989)。言語系統古アジア諸語にもっとも近いといわれるが、サモエード諸語の要素ももち、いまだに特定されていない。分布はコリマ川、オモロン川アラゼヤ川の下流域のツンドラ地帯と、コリマ川上流域の森林地帯の2か所である。前者はロシア連邦サハ共和国に、後者はサハ共和国とマガダン州の境にあたる。1859年の調査時には2350人も数えられており、それ以前には北東シベリアの代表的な民族であったが、エベンキやサハ(ヤクート)による吸収同化と、疫病のために激減し、20世紀初頭には400人前後になり、分布域も上記の2か所だけになってしまった。
 ユカギールの主生業は狩猟・漁労である。狩猟のおもな獲物は食用として野生トナカイ、ヘラジカ、毛皮用としてクロテン、キツネ、シロテン、リスで、鳥類も狩猟の対象となった。狩猟方法としては待ち伏せ、おとり、わななどがよく使われ、猟犬を使うこともあった。武器は弓矢、槍(やり)、ボーラ(鳥獣捕獲用の投擲(とうてき)具の一つ)などで、銃が中心になるのは19世紀中ごろからであった。漁労も盛んで、サケ、マスの類は重要だった。トナカイ飼養はエベンキから導入して、すでに17世紀には行われていたが、負債としてロシア人にとられたり、疫病で絶滅したり、飼養民がエベンキなどに同化したりして、ユカギールとしての飼養者は減り、20世紀にはツンドラに住む者が細々と行うだけになってしまった。ユカギールはツンドラ居住者と森林居住者とで、生業、住居などが異なっている。前者はトナカイをもち、遊牧生活をするため、住居はチュクチと同様の円筒円錐(えんすい)住居か、エベンキと同様の円錐住居である。後者は狩猟・漁労を中心とした生活で、とくに冬季は定住するため、冬にはサハと同様の長方形で天井が平たく土や雪をかぶせた住居、夏には円錐型の住居を使った。
 ユカギールの社会は、19世紀の記録によると、他の周辺の民族とは大きく異なっている。つまり、氏族外婚が厳密には行われず、婚姻は妻方居住婚であり、氏族の出自も父系とは限らない。氏族外婚は、19世紀にはすでに人口が著しく減っていたために、十分機能できなかったと考えられる。婚姻については婚資も儀礼もなく、婿が嫁の家で働くことで結婚が成立し、その後も嫁の家に住み続けた。ただし、ツンドラのユカギールは夫方居住婚で婚姻儀礼もあった。出自については伝承上、年長の子が母の氏族に属し、あとは父の氏族に属するということがかつてあったと伝えられている。しかし、狩猟の獲物の分配に関する平等性などはエベンキなどと同じである。宗教はシャマニズム(シャーマニズム)を中心としたものであるが、彼らのシャマン(シャーマン)はエベンキと同じ型のものである。また、儀礼のなかではオオジカに関する供犠(くぎ)がもっとも重要視されていた。[佐々木史郎]
『B・A・トゥゴルコフ著、齋藤晨二訳『オーロラの民:ユカギール民族誌』(1995・刀水書房)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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