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ユスリカ Chironomidae; nonbiting midge

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ユスリカ
Chironomidae; nonbiting midge

双翅目ユスリカ科に属する昆虫の総称に似た軟弱な昆虫で微小種が多い。口吻は発達せず,雌も吸血しない。触角は雄では羽毛状,雌では短く糸状。翅は細長いが,翅脈はカとはまったく異なる。雌の翅が完全に退化したものもある。幼虫は水生で特殊な環境にすむものが多く,海産種もある。また幼虫の体に赤色の呼吸色素をもつ種が多く,赤虫,赤ぼうふらなどと呼んで釣餌として用いられている。多くの種を含む。 (→双翅類 )

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百科事典マイペディアの解説

ユスリカ

双翅(そうし)目ユスリカ科の昆虫の総称。体長5mm以下のものが多く,一見カに似るが,体に鱗毛がなく,雌雄ともに全く吸血しない。幼虫は腐敗した植物質菌類などの中にすんでこれを食べるものと,水中にすみ有機物を食べるものとがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ユスリカ
ゆすりか / 揺蚊
midges

昆虫綱双翅(そうし)目糸角亜目カ群ユスリカ科Chironomidaeの総称。この科の種類は、微小ないし小形で、カに似ているが口吻(こうふん)は短く、吸血性はない。頭部は小さく、複眼は雌雄とも離眼的。触角は細長く5~14節。雄では羽毛状を呈するものが多い。はねは普通、カのように細長いが、翅脈はまったく異なっており、前縁部に径脈(けいみゃく)は集中して終わり、径中横脈は顕著である。はねが太くて先端が丸みを帯びるものや、退化したもの、まったく無翅の種類もある。脚(あし)は細長く、とくに前脚が長いものが多い。静止時にはしばしば前脚を高くあげている。腹部は細長く、雄の交尾器は大形で外部に現れ、雌の産卵管は短い。卵は普通ゼリー状の塊の中に配列して包まれ、水中または水辺に産下される。
 幼虫は水生で、細長い円筒状で、12体節がある。一部の種類では幼虫は体液にヘモグロビンを含んで赤く、観賞魚や釣りの餌となるものがある。アカムシ、アカボウフラとよばれるアカムシユスリカOrthocladius akamusiやセスジユスリカChironomus yoshimatsuiの幼虫がそれである。
 ユスリカの成虫は、湖、沼、川などの水辺に多く、多くの種類が群飛して蚊柱をつくり、夜間に灯火に集まるが、食物はとらない。
 数少ない海生昆虫のなかで、ウミユスリカClunio spp.とオヨギユスリカPontomyia spp.は有名である。この2属は、太平洋に直面した岩礁の多い荒磯(あらいそ)に生息し、雌は無翅で、触角と脚が著しく退化し、終生海水中から出ることがない。幼虫は海底の海藻中にすみ、老熟した蛹(さなぎ)は日没直前に海面まで上り、海面下を泳ぐ。羽化は日没後1~2時間に行われ、海面上に成虫となって出現した雄は、海面下の雌の蛹を脚で抱き、雌が羽化を始めると脱皮を手伝う。雄は雌を抱きながら海面すれすれに飛翔(ひしょう)(ウミユスリカ)、または海面をアメンボのように滑走(オヨギユスリカ)する。交尾後の雌はただちに海面で産卵し、卵塊は海中に沈む。成虫はきわめて短命である。[伊藤修四郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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