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唾腺染色体 だせんせんしょくたいsalivary gland chromosome

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

唾腺染色体
だせんせんしょくたい
salivary gland chromosome

ショウジョウバエを含むハエ類 (双翅類) の幼虫の唾液腺細胞の静止核にみられる巨大な染色体。 1881年に E.バルビアーニが紐状構造として発見,のち 1933年に E.ハイツ,E.バウアー,T.ペインターがその細胞学的意義を明らかにした。幅5μm,長さ 400μmと普通の染色体の 100~150倍の大きさをもつ。これは一度形成された唾腺染色体が,その後核分裂が進行せず,染色糸のみが次々と縦裂し,多糸性の染色体となり,幅と長さを増し巨大化したものである。塩基性色素でよく染まる横縞があり,ここにデオキシリボ核酸が分布している。縞の幅の大小,密度に特徴があり,この異常から染色体の異常を知り,これを遺伝子の突然変異と関連づけて染色体地図をつくることができる。遺伝子の存在場所と考えられている。

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百科事典マイペディアの解説

唾腺染色体【だせんせんしょくたい】

ハエやカなど双翅(そうし)類の幼虫の,唾腺細胞の核中に見られる巨大な染色体。体細胞染色体に比べ数十倍も長いこと,減数分裂前期と同様に相同染色体が対合していること,品種や系統により一定した縞(しま)模様のあること,それ以上分裂が進まないことなどの特徴をもつ。

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世界大百科事典 第2版の解説

だせんせんしょくたい【唾腺染色体 salivary gland chromosome】

唾液腺染色体ともいう。双翅(そうし)目の昆虫(幼虫)の唾腺細胞の中間期の核にみられる巨大染色体。バルビアニE.G.Balbiani(1881)によって初めて報告されたが,その遺伝学的重要性を指摘したのはコストフD.Kostoff(1930)が最初である。 唾腺細胞では相同染色体が対合しているので,染色体数(n)に相当する数の唾腺染色体が観察される。この染色体はきわめて長大であり,キイロショウジョウバエではその長さは,体細胞分裂や成熟分裂の中期染色体の100~200倍に達する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

唾腺染色体
だせんせんしょくたい

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世界大百科事典内の唾腺染色体の言及

【染色体】より


[染色体部分の構造と機能]
 (1)染色体の長さ 染色体の相対的な長さは,その遺伝情報量と高い相関を示す。パンコムギの21本の染色体の長さとDNA量の間には+0.82の相関係数が得られているし,キイロショウジョウバエの4本の染色体の長さは連鎖群の全長や唾腺(だせん)染色体のバンド数と高い正の相関を示す(表)。(2)動原体 この部位は塩基性色素に染まらず,染色体のくびれのように見えるので,第1次狭窄(きようさく)とも呼ばれる。…

※「唾腺染色体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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