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呼吸色素 コキュウシキソ

世界大百科事典 第2版の解説

こきゅうしきそ【呼吸色素 respiratory pigment】

鉄や銅などの金属を含む複合タンパクで,酸素と可逆的に結合する色素である。多くは血液中にあって血液色素ともよばれ,酸素を運搬あるいは貯蔵する役割を果たしている。ヘモグロビンはほとんどすべての脊椎動物と一部の無脊椎動物に,クロロクルオリンはケヤリなどに,ヘムエリトリンホシムシシャミセンガイにみられ,いずれも鉄を含んでいる。銅を含むヘモシアニンは甲殻類や頭足類にみられる。これらの色素は酸素結合能力がきわめて大きく,たとえばヒトの場合,血漿(けつしよう)にとける酸素は0.3%(容量)にすぎないのに実際に動脈血に含まれる酸素は19%に達する。

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大辞林 第三版の解説

こきゅうしきそ【呼吸色素】

生体に含まれる色素で、呼吸に関係するものの総称。多くは鉄・銅などの金属を含む複合タンパク質。赤色のヘモグロビン・ミオグロビン、青色のヘモシアニンなど。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

呼吸色素
こきゅうしきそ

生体内で呼吸機構に関与する色素タンパク質の総称。狭義には、血液中にあって呼吸器官から組織に酸素を運搬するヘモグロビンなどの血色素をさす。広義にはチトクロム類、フラビン酵素類などの呼吸酵素一般を含むこともある。血色素の本来の機能は分子状酸素の運搬にあり、酸素の代謝的消費(酸化)を行う呼吸酵素とは機能を異にする。血色素はいずれもポルフィリンの金属錯塩とタンパク質の複合体であり、可逆的に酸素と結合する。たとえば、脊椎(せきつい)動物赤血球中のヘモグロビンは鉄を含む赤色のヘムタンパク質であり、酸素分圧の高い肺では
 Hb(ヘモグロビン)+O2(酸素)
 HbO2(オキシヘモグロビン)
のように酸素を結合し、分圧の低い末梢(まっしょう)組織では酸素を遊離する。いわゆるガス中毒は、ガス中の一酸化炭素がより強固にヘモグロビンと結合し、酸素との結合を阻害するためにおこる。このほか血色素としては、下等動物にみられるヘモシアニン(青色、銅含有)、クロロクルオリン(緑色)、ヘモエリスリン(赤色)などが知られている。いずれも酸素の授受によって色の変化を伴う。[入江伸吉]

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世界大百科事典内の呼吸色素の言及

【血管系】より

…この点を解決する手段の一つとして発達する機構が循環系で,体液を媒体として栄養物,代謝産物,酸素,二酸化炭素,体熱などを運搬している。酸素は細胞,ひいては1個体が生きていくために不可欠なものであるが,その取入れ方は単に体表面から拡散によって取り入れるものから,呼吸色素を担体とし循環系によってガス交換の場に運ばれるものまで,動物の進化段階に応じてさまざまな方式がとられる。血液は呼吸色素を含む体液で,それを入れる脈管を血管blood vesselという。…

※「呼吸色素」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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