企業価値が10億ドル以上で創業10年以内の未上場企業を、珍獣になぞらえて呼ぶ。日本では2018年、メルカリが東京証券取引所に上場した例がある。政府は株式市場の成長や産業競争力の強化に向け資金流入の環境を整備し、新興企業の創出を後押しする。一方、時価総額が小さい状態で株式を新規公開(IPO)することは「小粒上場」と言われ、株主が個人投資家に偏りやすく、上場時にまとまった資金調達が難しくなるとされる。
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ヨーロッパで力と純潔の象徴とされる架空の動物で,〈一角獣〉と訳される。馬の額に長い角(しばしば螺旋状によじれた角)を生やし,山羊の髭,割れたひづめを持つ獣の姿で図像化される。紋章では白馬に角,山羊の髭であるが,伝承では体軀は白,頭部は赤く,青い目で白黒の一角を持つとするものもある。
旧約聖書の《ヨブ記》39章9節以下では野牛の力の強さが語られ,《申命記》33章17節には〈彼の牛のういごは威厳があり,その角は野牛の角のよう,これをもって国々の民をことごとく突き倒し,地のはてにまで及ぶ〉とあるが,《七十人訳聖書》ではヘブライ語聖書の中の野牛が〈一角獣monokerōs〉と訳され,《ウルガタ》にもunicornisとして継承された。こうしてユニコーンにはたけだけしく強い動物のイメージが定着した。古典での最も古い叙述は前5~前4世紀のギリシアの歴史家,医師クテシアスによるもので,彼は〈白いロバ〉と呼んでいる。続いてメガステネスは,カルタゾオンなる,サイとおぼしいユニコーンについて記した。アリストテレスが《動物誌》第2巻で言及している〈インドのロバ〉はクテシアスからの引用である。ヘレニズム期にさかのぼると考えられている寓意的な民間博物学書《フュシオロゴス》にもユニコーンはとり上げられ,伝説の流布に大いにあずかった。
このような古代伝承をひきついだ中世キリスト教会の伝承では,ユニコーンはあらゆる動物中最強のものだが清純な乙女のもとには柔順に近づきなれ親しむとされ,乙女の胸に寄っているところを刺し殺せると考えられていた。これが聖母マリアと教会とイエスの象徴であることはいうまでもない。ユニコーンの角は毒の力を消すとされたので,その角と考えられたイッカクの角は,削って服用されたり杯やナイフの柄にされた。このナイフの柄は毒が近づけば汗をかくと信じられた。J.シルバティによれば教皇パウルス3世は,疫病から身を守るため金貨1万2000枚を払ってユニコーンの角を手に入れたという。14世紀からフランス革命期まで,フランス宮廷の食卓ではユニコーンの角が食物中の毒の検証に使われた。
パリのクリュニー美術館には,中部フランス,ブサックの城から来た中世末期のユニコーンと貴婦人を題材とした有名な一連のタピスリーがあり,リルケが詩に歌い《マルテの手記》でも言及している。ニューヨークのクロイスターズ美術館にある同様な図柄のタピスリーも有名である。なお,スコットランド王ジェームズ1世のシンボルがユニコーンであったため,現在のイギリス王家の紋章もライオンとユニコーンが盾を左右から支えている図柄である。
執筆者:松原 秀一
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… 他方,角は妙薬として珍重された。ギリシア・ローマ時代には,ユニコーン(一角獣)の角と誤って信じられたサイの角が,解毒剤や癲癇(てんかん)の治療薬として重視され,16世紀以降は鎖でつながれたイッカクの角が薬局の看板代りとなり,これを削って作った粉薬が売られた。また北方民族が古くから用いていた角杯は,毒が混入されると泡を出して解毒するといわれ,毒殺が流行した時代にはヨーロッパの王侯や貴族に広く使われた。…
… 一方,《ギルガメシュ叙事詩》で主人公ギルガメシュが野人エンキドゥと戦い無二の友としたように,古来,人間離れした力を持つ者を従者として味方につけ,畏怖しつつもこれを教化してその異能にあずかるという話も多い。中世ヨーロッパでユニコーンや野人がキリスト教の威光に容易には服さない野生の力の象徴とされ,これを捕らえ馴化することが教会の勝利の寓意であったのは,逆にいえばそのような力をとりこみ利用することでもある。また領主が信頼に足る騎士を養成すべく,しばしば山で見つかる捨子をひきとることも実際あったようで,アーサー王伝説や《神仙女王》に野人が登場するゆえんとなっているが,これも同様の心性に基づくものといえよう。…
※「ユニコーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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