リスク・プレミアム(読み)りすくぷれみあむ(英語表記)risk premium

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

リスク・プレミアム
りすくぷれみあむ
risk premium

投資家がリスクのある商品(危険資産)に投資する際、リスクのほとんどない商品(安全資産)に比べて期待する上乗せ分のリターン(収益、運用利回り)のこと。一般に、投資商品には、国債のような元本と運用利回りがほぼ保証された安全資産もあれば、株式や外国為替(かわせ)関連商品のように元本割れリスクのある危険資産もある。一般に、リスク・プレミアムとは、安全資産とみなされている国債の運用利回りと株式などの危険資産の運用利回りの差を意味する。たとえば国債の運用利回りが1%で、株式の平均的運用利回りが5%の場合、その差の4%がリスク・プレミアムに相当する。金融危機などの際には、リスクを回避するため、資金が安全資産に集中し、リスク・プレミアムが急拡大する傾向がある。なお、債券のリスク・プレミアムをクレジット・スプレッド、株式の場合はエクイティ・リスク・プレミアムとよぶことがある。
 リスク・プレミアムは、(1)株式や債券の価格が経済環境の変化で変動する価格変動リスク(price fluctuation risk、market risk)、(2)金融商品を発行した企業や金融機関が倒産して元利金を完全には回収できない貸し倒れリスク(default risk)、(3)外貨建て資産の価値が外国為替相場の変動によって上下する外国為替リスク(foreign exchange risk)、(4)テロ、戦争、資源価格暴落など特定の地域特有の要因による地政学的リスク(geopolitical risk)、(5)歳入不足や税収減少などによる政府の財政リスク(financial risk)など、さまざまな要因で変動する。このためリスク・プレミアムを求める各種のモデル式が考案されている。[矢野 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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