JR東海が計画し東京、名古屋、大阪を結ぶ路線。磁力で浮上して走る車両を使い、最高時速は約500キロ。所要時間は東京・品川―名古屋が最速40分、大阪までは同67分。環境への影響を懸念する静岡県の理解が得られなかったため、静岡工区の着工が遅れている。政府は経済効果が見込まれるとして、3兆円の財政投融資で早期開業を後押ししている。
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リニアモーターカー方式により、東京―大阪間を結ぶ計画の新幹線。中央新幹線、リニア新幹線、中央リニアエクスプレスともいう。最高時速は505キロメートル、東京―名古屋間を約40分、東京―大阪間を約70分で走行する計画である。2014年度(平成26)に着工して2027年に東京―名古屋間の先行開業を予定している。また、大阪までの全線開業は2037年以降になる見込みである。全線開業は当初2045年を予定していたが、2016年に政府の地方創生政策の一環で、財政投融資を活用しての事業費の一部(3兆円)支援が決定され、計画が最大8年間前倒しされることになった。
東海旅客鉄道(JR東海)が2007年に発表した構想で、総事業費は9兆円を超える。走行ルートは山梨県、静岡県、長野県にまたがる南アルプスの直下を通るため、東京―名古屋間の全長286キロメートルのうち、86%に当る246キロメートルがトンネルである。鉄道総合技術研究所とJR東海が1996年(平成8)に開設した山梨実験線(山梨県都留(つる)市)の一部もそのまま利用される予定である。
JR東海は2011~2013年にかけ、工事や開業に伴う沿線の環境影響評価(環境アセスメント)を実施した。2013年9月に発表された評価と対策は、人の生活環境や水質、土壌汚染、生態系への影響など多くの面で不十分な内容が多いとして、関係自治体から批判を受けたが、2014年10月、国土交通省は品川―名古屋間の工事実施計画について認可した。一方で、2014年3月の地価公示では、名古屋駅周辺が全国でもっとも高い上昇率(12%)となるなど、走行ルート周辺ではすでに影響が現れている。
[編集部 2016年11月18日]
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