リルバーン(英語表記)Lilburne, John

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

リルバーン
Lilburne, John

[生]1614. ダラム
[没]1657.8.29. ケント,エルザム
イギリスの清教徒革命における平等派の指導者。ロンドンの毛織物商に徒弟奉公していたが,国王チャールズ1世の宗教政策を批判する文書をオランダから輸入,配布した責めで 1638年投獄され,40年長期議会により釈放された。内乱の勃発後,議会軍に参加し,中佐まで昇進したが,45年スコットランドとの盟約を拒否して辞職。ロンドンで平等派を組織し,信仰の自由,民主主義の徹底を主題とする数多くのパンフレットによって大きな影響を与え,鋭く長老派独立派を非難したが,そのためしばしば逮捕,投獄された。 52年には国外追放に処せられたが,翌年帰国。 55年まで獄中にあったが,その頃にはクェーカー教徒に転向していた。

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百科事典マイペディアの解説

リルバーン

英国,ピューリタン革命期のレベラーズ(平等派)の指導者。生地は定かでないが,ロンドンの織物商の徒弟となる。1637年星室庁裁判所により,無許可のピューリタン文書を輸入・頒布した罪に問われ,鞭打ち刑に処せられ,投獄された。ピューリタン革命の勃発によって釈放されると,議会軍に参加したが,1645年に右傾化を嫌って軍隊を離れ,政治的文書の執筆にあたり,ロンドン市政の民主化運動を指導した。1647年革命を停止させるために企てられた軍隊の危機に際して,人民主権論にたつ〈人民協定〉と称する成文憲法案を提出して,軍の主流であった独立派と対立する平等派運動を率いた。共和政の成立に先立って弾圧をうけ,1652年オランダに亡命し,帰国してもたびたび逮捕されたが,晩年はクエーカー教徒に転向した。

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世界大百科事典 第2版の解説

リルバーン【John Lilburne】

1615‐57
イギリス,ピューリタン革命期のレベラーズ(水平派)の指導者。ダラムのジェントリーの次男に生まれ,1630年ころロンドンの織物商の徒弟となった。ピューリタン文書を密輸入したかどで逮捕されむち打ちの刑をうけたが,この体験をキリストの戦士という自覚に転化した。ピューリタン革命の勃発により釈放され,内戦が始まると議会軍に参加したが45年に軍隊を離れ,革命的民主主義のパンフレット作家として活躍した。ロンドン市政民主化運動の先頭にも立ち,内戦で議会派が勝ち,革命陣営が分裂するようになると,レベラーズの指導者となり,自然権,人民主権,成年男子普通選挙権などを基本とした革命憲法〈人民協約〉の執筆に参加した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

リルバーン
りるばーん
John Lilburne
(1614/1615―1657)

イギリスのピューリタン革命期におけるレベラーズ(水平派、平等派)の指導者。サンダーランドに生まれ、中等教育を受けたのちロンドンの織物商の徒弟になる。そこでピューリタニズムの影響を受け、1638年、不法文書所持の罪で捕らえられたが、挑発的な態度のために一躍ロンドン市民の人気者となった。革命の開始によって釈放されると、ロンドンの民衆運動の先頭にたち、内戦の開始とともに軍隊に加わって戦った。その後、議会内多数派の長老派と衝突してふたたび逮捕されたが、民主主義的政治改革を主張する言動によってしだいに兵士の間に支持層を増やし、レベラーズの理論的指導者となった。その思想は、人間を理性的存在としてとらえ、同意に基づかないいかなる支配も拒否するという急進的なものであった。レベラーズの敗北後も活動を続けていたが、晩年はクェーカー教徒に転向し、1657年エルサムで没した。(書籍版 1988年)[小泉 徹]

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世界大百科事典内のリルバーンの言及

【レベラーズ】より

…革命において1645年議会派が国王派に軍事的勝利を収めると,革命陣営の内部分裂が表面化し,議会と軍隊とが対立し,議会の内部では多数を占める右派の長老派と野党的な独立派が対立し,軍隊の内部では独立派の軍幹部と兵士との対立が明らかになる。こうした情勢のなかでジョン・リルバーン,リチャード・オーバトン,ウィリアム・ウォールウィンらを指導者とするレベラーズが成立し,ロンドンの手工業者を中核とするこのグループは,軍隊へも浸透した。この派の綱領である革命憲法〈人民協約〉は,基本的人権と人民主権を基調とするもので,近代民主主義の原理を成文化した画期的なものである。…

※「リルバーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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