フランスの微生物学者。アリエ県で生まれる。19歳のとき、パスツール研究所に勤め、そこで働きながら学び、1927年医学博士号、1932年理学博士号を取得した。同年ハイデルベルク大学、1936年ケンブリッジ大学に留学した。1938年パスツール研究所の微生物学・生理学部長につき、同研究所を微生物学遺伝学の世界的センターに成長させた。1959年からパリ大学の微生物学教授を兼任、また1962年から1971年まで国際微生物学会会長を務めた。1972年(昭和47)に来日している。
ルウォフの初期の研究は、原生動物の栄養摂取についてであった。その後、1940年代後半からバクテリオファージの溶菌作用を研究し、その過程でウイルスの増殖に関してプロファージ(潜在ファージ)という概念を導入、プロファージの遺伝子に対する働きについて解明、また紫外線の照射がプロファージの作用を誘発することを発見した。1965年に「酵素とウイルスの合成の遺伝的制御に関する発見」により、門下生のF・ジャコブ、J・L・モノーとともにノーベル医学生理学賞を受賞した。
[編集部]
『アンドレ・ルヴォフ著、松代愛三・下平正文訳『生命の秩序』(1973・みすず書房)』
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