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ルルス Lullus, Raimundus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ルルス
Lullus, Raimundus

[生]1235頃.カタルニャ
[没]1316.1? ブージー
スペインの哲学者,神学者,神秘家。カタラン語では Ramón Lull。非キリスト教徒の家に生れたが,1263年頃見神の経験を得てキリスト教に入信して宣教を決意。ヨーロッパ各地で説教を行い,北アフリカ近東のイスラム圏にもおもむき布教に努めたが,北アフリカのブージーでイスラム教徒に捕えられ投石によって殺された。彼が考案した,イスラム教徒をキリスト教に改宗させる方法は「大いなる術」 (またはルルスの術) と呼ばれる。これは護教のために全学問の総合的体系を組立て,基本的な学理ないし概念を設定することにより,そこからできるだけ多くの結論を引出そうとする一種の記号計算的な方法で,それによりキリスト教の優位を証明しようとした。著作は 292編,神の存在や三位一体を論じた神学書,哲学書,小説,詩などが含まれる。

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百科事典マイペディアの解説

ルルス

スペインの詩人,哲学者。マリョルカ島出身。ルルスはラテン名で,カタルーニャ名はリュル。30歳ごろのキリスト幻視体験を契機として回心し,以後宣教活動に没頭。人を信仰へ,そして〈真理〉へと導く書として《大いなる術(アルス・マグナ)》を著し,ライプニッツなどの近世の哲学者にも注目された。

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世界大百科事典 第2版の解説

ルルス【Raimundus Lullus】

1232ころ‐1316
スペインの百科全書的思想家。スペイン名はルリオRaimundo Lulio,カタルニャ名はルルRamón Lull。その博識と敬虔から〈天啓博士(ドクトル・イルミナトゥスDoctor illuminatus)〉と尊称される。マリョルカ島のパルマに廷臣の子として生まれ,浮薄な宮廷生活を送っていたが,癌におかされた人妻に恋をしてから世の無常を知って回心し,修道生活に入ったという。30歳のころ,苦行中の幻視にキリストが現れ,イスラム教徒などの異教徒を改宗させるための宣教活動への挺身,それに資する東洋語学院の設立,異教徒駁論の最良の著作の執筆という天命を自覚し,大学での講義,北アフリカ(チュニス,ブージー,アルジェリア)への宣教旅行などに携わった。

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大辞林 第三版の解説

ルルス【Raimundus Lullus】

1232頃~1316) スペインの哲学者・神学者・詩人。概念を記号化し、その機械的な結合によりキリスト教的真理の証明を試みる「大いなる技術(アルス-マグナ)」は、ライプニッツの普遍学の先駆となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ルルス
るるす
Raimundus Lullus
(1232―1316)

スペイン、カタルーニャ地方の哲学者、神秘家。マジョルカ島に生まれ、宮廷に仕えたが、30歳ごろ回心し、全生涯を創造的な思想家、活動的な宣教師として貫いた。宣教のための最高の書と自負した著作群が「大術(アルスマグナArs Magna)」であり、根本概念の論理的な組合せを要(かなめ)に学問全体を演繹(えんえき)的に構成しようとする独創的な試みであった。その成果は『学問の木』(1296)などに端的に示され、ライプニッツなど近世の哲学者からも注目された。文学では、ユートピア小説『ブランケルナ』(1283~1285)が傑出し、この作品の一部とされる『〈愛する者〉と〈愛される者〉についての書』(1276~1278)は、ルルスの神秘学の珠玉である。[野村銑一]

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世界大百科事典内のルルスの言及

【記憶術】より

…とくに14世紀から16世紀にかけてヨーロッパでは記憶術が流行し,さまざまの記憶術書が著された。ルルスやラウェンナトゥスRavennatusはその代表である。これらの記憶術探究は,根底において認識論や論理学と不可欠に結びついており,たとえば観念連合や百科全書や普遍数学mathesis universalisの考え方に多くの影響を与えた。…

【錬金術】より

…英語ではquintessence),つまり,ものの〈精髄〉として重要視された。 ベーコンもさることながら,ライムンドゥス・ルルスは,アラビア語にたんのうな注目すべきキリスト教徒で,超自然の神学と自然の哲学とを一つのものにしようと努力した。彼は,キリスト教の神人思想を,錬金術的な霊妙な物質,つまり,第五元素という最も活動力のあるもので説明したとされる。…

※「ルルス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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